お知らせ

2021年9月22日、河合りな総括質疑「児童館について」「一時預かり」「HPでの情報発信」「保育の質と待機児童」令和3年度・第3回定例会

毎年9月の定例会では、前年度(令和2年度)の予算が「適正か?妥当か?」を審査するため、全議員出席での決算特別委員会が行われます。ここでの質疑が来年度の予算編成に生かされます。

以下が、河合りなの総括質疑です。
読みやすく省略したので、詳細や正確な質疑は中野区議会議事録をご確認いただき、疑問などは直接気軽にお問い合わせください。(SNS等で断りなくHP文章の一部を切り取る行為はご遠慮ください)

目次

1、令和2年度決算について
 (1)財政指標について
 (2)就学援助について
 (3)ひとり親支援について
 (4)障害児支援について
2、児童館について
4、広報について
5、通学路の安心安全について
3、保育の質と待機児童について

1、令和2年度決算について

引き続き避けられない論点が新型コロナウイルス感染症(以下新型コロナ)。

今年初めて学校プール体験をした去年1年生だった子どもたちの話、決算書の「不用額」に並ぶ移動教室等、令和2年度が失われた日常の連続であったと改めて感じた。

会派として「公助」で必要な方へ着実に届く支援を求める。我が党では、所得の低い人ほど可処分所得を消費支出に当てる「消費性向」が高く、支援が経済対策にもつながるとも訴えている。困難の中にいる区民の日常を取り戻すため、支援の手をしっかりと伸ばすべき。

他議員より決算質疑で、歳入が予想より大幅に上振れしていることの指摘があった。令和3年度の税収予測は誰にも正解は分からず、それに基づく令和2年度予算執行の困難さも踏まえながら、まずは財政指標を確認する。

(1)財政指標について

「中野区の財政白書」2ページの「2.歳入の状況(2)特別区税の状況」において、「特別区民税」に大きな影響は見られない。どの収入層の方がいくら課税されているかを示す「課税標準額」について、前年度比較推移との見解は?

中野区の回答: 特別区民税は前年所得に対して増加、令和2年度の納税義務者一人あたりの所得割額も増加、新型コロナの影響は見られない

「課税状況」に変化はないが、納税について比較的少額滞納の課税額45万円以下の滞納者数が令和元年度より増加している。新型コロナの令和3年度の税収に強い影響はないのか、滞納者数も踏まえた見解は?

中野区の回答: 令和元年度と比べて滞納額は減少したが、滞納者数は増加。リーマンショックも複数年続いた。影響が及ぶ恐れはある、引き続き注視。

新型コロナの影響で前年度と数字比較しづらいため、23区平均と比較する。

「中野区の財政白書」 20ページの「図28 特別区債残高の推移」を見ると、23区平均はほぼ横ばい、中野区は当初予算より大幅に増加。「用地取得等区債発行のため」とあるが、新型コロナの影響は?

中野区の回答: 特別区債残高が前年度より大幅に増加しているのは、平和の森小学校移転用地および道路用地の取得にあたり101億円余りの特別区債発行したため。また、学校施設整備やまちづくり事業も先行き不透明な経済状況で特別区債発行にて財源を確保したため。

「中野区の財政白書」 22ページに「実質収支比率は5.5%」とあるが、例年は23区平均より低く、連動した数字の動き。望ましいのは3~5%の範囲と思われるが、要因は分析しているか?

中野区の回答: 「標準財政規模」の一般財源ベースでの財政規模の伸び率より、「実質収支」の黒字部分の伸び率のほうが大きかったため、前年度より 増加した。

5%を超えると「適切な財政運営が出来ていない」と見なされることもある。

中野区の回答: 「標準財政規模」に対して黒字部分が大きすぎる目安にもなるが、5.5%とわずかな超過。他の指標を含めると、概ね適切な財政運営だったと分析している。

「中野区の財政白書」 23ページを見ると、「経常収支比率」は推移77.1%と柔軟性を担保。「公債費減が影響」とあるが、例えば公債費を前年度同等と見立てた場合は?

中野区の回答: 公債費が前年度と同じなら、79.1%となる。

それでも23区平均と比べて下降線、中野区は絞りすぎてしまったように見える

中野区構造改革実行プログラムに「行政運営にあたり、経常的な行政コストを極力抑えていくことは、将来の発展に向けた政策的な展開や時期に応じた弾力的な対応がしやすくなります。ひいては区民の区政に対する満足と納得度を高めることにつながります」とあるが、区民へ支援策を出せているのか、会派として大いに懸念している。

中野区の回答: 予算執行を見直した事業のうち、施設整備やまちづくり経費等は臨時的経費、経常収支比率の算定に影響を与えないものも多く、執行調整が直接低下につながったと一概に言えない。予算執行の見直しは、先が見通せない状況下、危機意識を持って財政運営を進める観点から必要かつ適切であった。

(2)就学援助について

会派から毎年予算要望をして、令和3年度に子どもの貧困対策として拡充された「就学援助」について。一斉休業で子育て世帯は大きな影響を受けた。認定者数の小中学生の内訳、予算時と実績の見込み差について見解は?

中野区の回答: 認定者2435人、小学校1624人、中学校811人。在籍者数見込みと認定率見込みを乗じて得た人数より算出、見込み差が生じた。

令和2年度、年度内で急激に収入変化した世帯への特例措置があった。新型コロナの影響と判断された認定者数は? 措置の周知方法は?

中野区の回答: 令和2年度就学援助が非認定だった保護者のうち、新型コロナの影響を受けた世帯に特例措置を行った。再審査申請によって非認定から認定に変わった世帯は30。非認定通知に記載するとともに中野区HPに掲載して周知した。

就学援助世帯には「中野区立学校の臨時休業中の昼食費補助」、全ての児童生徒を含め休校対策では「在宅学習支援端末機器、wifiの貸し出し」を行っている。

経常的支出増が困難な中、中野区では令和3年度より就学援助支給でオンライン通信費を拡充したこと、評価する。来年度もコロナ禍が続く中、丁寧に支援に繋いでほしい。

中野区の回答: 令和3年度より、就学援助の認定基準を令和2年度までの生活保護基準1.15倍から1.3倍まで拡大した。支給費目として「オンライン学習通信費」を新設、年間1万円を加えた。丁寧に周知を行い、経済的理由で修学困難な家庭の支援に努めたい。

(3)ひとり親支援について

「児童扶養手当」の延べ受給者数が、令和元年度より減っている理由は?

児童扶養手当……ひとり親家庭の生活の安定と自立の促進に寄与し、児童の福祉増進を図ることを目的として支給される国の支援。

中野区の回答: 令和元年11月から支払い回数3回が6回になった。令和元年度は経過措置として15ヶ月分支給したため、追加の3ヶ月分で例年より増加。令和2年度は12ヶ月分に戻ったため、減ったように見える。

前年の収入要件がある「児童扶養手当」、令和2年度は急激な収入の落ち込みに対応したか?

中野区の回答: 国の制度・法令や国の通知に乗っ取って支給を行った。収入減への対応はなかったが、受給者を対象に「ひとり親世帯臨時特別給付金」を支給。

令和2年度はひとり親支援の内容が拡充していたが、実際に行われた事業の詳細は?

中野区の回答: 母子生活支援施設のアフターケア事業として、臨床心理士による子育て相談会や子供との接し方に関する講演会を、合わせて3回実施。

見守りが必要な母子等への子育て相談、育児・家事等の生活支援を行う母子等一体型ショートケア事業を4月から開始している。

8月の児童扶養手当現況届提出時期に合わせて、ひとり親や離婚検討中の方を対象に、養育費や子どもの面会交流についての個別相談会や弁護士の講演会を区役所で実施した。

母子家庭等の「緊急一時保護事業」「母子一体型ショートケア」もう少し利用が伸びても良かった。どこで接続、案内、判断しているのか?

中野区の回答: すこやか福祉センター(以下すこやか)や子ども家庭センター、女性相談のケース対応で、必要と思われる方を対象とした。母子・父子自立支援員が接続先から相談を受け、利用要件や支援内容を確認して案内、子育て支援課で利用決定を行っている。

一斉休業の影響で、働きながら子どもの世話等、不安を抱えた家庭も多かった。支援が届きやすい丁寧な説明と案内をお願いしたい。

中野区の回答: ひとり親家庭の方の個々のニーズに応じて、母子・父子自立支援員がひとり親の制度の情報提供や住宅、仕事、生活等相談に応じている。状況に応じ、丁寧な説明を今後も徹底。サービスや就業支援講座等の案内や掲示もわかりやすく改善していく。

特にひとり親家庭では、金銭不安だけではなく、日常分散されていた向き合う時間と責任の重圧を、たったひとりで背負うことになっている。

「ひとり親ホームヘルプサービス事業」の経年数字を追ったが伸びていない。対象者は? 予算時と実績の見込み差についての見解は?

ひとり親ホームヘルプサービス事業……小学生以下の子どもをもつひとり親家庭で、一時的な病気等家事や育児ができない場合にホームヘルパーが来てもらえる支援。

中野区の回答: 保育所等の整備や病時・病後児保育等他の子育てサービスが充実したため、利用が減少傾向にある。コロナ禍で就労形態が変化し、保護者が子どもを見られる状況が増えていることも一因。

児童扶養手当を支給されていない方以外も対象の事業だが、ひとり親家庭でこの事業を知らない方もいる。周知の方法に未だ課題があるのでは?

中野区の回答: 児童扶養手当の現況届やすこやかで「ひとり親家庭のしおり」を配布。HP内容を整理、個別相談等においても周知。

ひとり親家庭での問題の多くは「仕事」と「住居」。仕事については「母子家庭等高等訓練促進給付金等事業」で内容拡充。住居については令和3年度「居住支援協議会」が創られ、ひとり親や子育て家庭は「住宅支援要配慮者」と位置付けられた。これらの支援について、実際にひとり親家庭が利用しやすいように区で工夫をしているか?

中野区の回答: 居住支援協議会の専用サイトから関連リンクや必要な支援につながる仕立てとしている。

現在「居住支援協議会」に子育て支援課は関わっていない。居住支援協議会へ参加し、窓口でさらにアピール、接続を案内する等、さらなる連携をとっていくべき。

中野区の回答(住宅課): 現在は住宅課と福祉部門が連携している。子育て支援課も参加できるように働きかける。

中野区の回答(子育て支援課): パンフレットを活用し住宅について聞き取りながら、住宅課と連携を密にして周知していきたい。

経済対策として令和3年度より東京都「養育費支援事業」を導入した区も増えた。今後のひとり親への拡充策を含め、中野区の検討状況は? 中野区内のひとり親家庭に支援は行き届いているか? 実際の困りごとは? 接点が増えた分、ニーズの把握と支援充実を。

中野区の回答: 令和2年度から「養育費支援事業」に詳しい弁護士を講師に招き、子どもの養育や養育家庭の生活等について考える機会の提供、養育費の支払いや面会交流に関する取り決めについての講演会や相談会を実施している。アンケート調査から、必要な支援策の分析を行なっている。

(4)障害児支援について

「児童育成手当(障害手当)受給者特別臨時給付金」について、予算時と実績の見込み差は? その見解は?

中野区の回答: 実際に支給した世帯数は115件、児童数は117名。不測数がないよう見込み数を積算、対象者にはもれなく支給できたと分析。

中野区が設定する支援の「児童育成手当」。就学援助のように、新型コロナの影響で困難になった方への追加対応など、支援拡充しても良かったのでは?

中野区の回答: 毎年6月から前年度の所得状況によって、支給対処となるかどうかを判断している。新型コロナの影響での制度変更等は特段しなかった。

医療の進歩によって、重度の障害を持つ方や「医療的ケア児」と呼ばれる子どもが在宅で過ごせるようになってきた。

令和2年5月頃の最も物品がない時期に、「医療的ケア児及び重度心身障害児への消毒・衛生用品購入等」および「重度障害者・在宅人工呼吸器使用者等への衛生用品支給」で、予備費を対応して困難に寄り添えたことを大いに評価している。日頃から顔が見える関係が緊急時に生きる。今後もスピード感を持った事業構築で、困難を抱える方への手厚い支援に繋がるよう、強く要望。

中野区の回答: 区としてできるだけ早く対応すべきと、各課で検討した。障害福祉課とすこやか福祉センターの協力を得て、消毒や衛生材料など日々頻繁に使用する物品を優先対応した。日常的に関わりがある区内医療機関に協力要請できたことで、必要物品リストが整い、早期の配布が可能となった。

災害時、障害児(者)は「要配慮者」。中でも、医療的ケア児(者)の非常時電源確保は命に関わるが、発電機の配備はすこやか福祉センター4箇所にしかない。令和3年度に用意された避難所の蓄電池は、主に一般の方や現場で使われる想定と聞いている。

また、災害時にすこやか福祉センターまでたどり着けなかったり、コロナ感染不安から自宅避難が増えると考えられる。自宅避難の支援を。

障害児(者) も外に出る機会や場所が増え、ライフスタイルや障害の傾向など、制度が考えられた当初と状況が変わっている。時代にあった事業に変更していく視点で改善に努めることを要望。

中野区の回答: 非常用電源の確保は重要。令和4年度「在宅人工呼吸器使用者用療育支援事業」で、外部バッテリーを充電するための蓄電池が対象品目として追加検討されている。引き続き確保に努めたい。

令和2年度コロナ禍の予算執行、国や都の事業が中心で、中野区独自の施策が少ない。「92億の減収」という報告に萎縮せず、各課もっと有効な手立てを打てたのではないか。今後は区独自の施策にどう取り組んでいくのか?

現状の収支を見る限り、会派では「コロナ禍の影響が大きかった方に、改めて支援を届ける一定の余力がある」と考えている。この影響は数年続くと言われる中、財布の紐を緩めるのではなく、真にお困りの方はいないか、丁寧な調査と対策を。

中野区の回答: 効果的な対策を検討していく。

2、児童館について

議会閉会中の9月2日、子ども文教委員会で「新たな機能を備えた児童館について」が報告された。

私の「これまで中野区は児童館廃止として動いてきた」の質疑に、「不明確である」との答弁があった。

不明確な根拠は、そもそも前区政において、平成17年の「新しい中野をつくる10ヶ年計画(第2次)」で児童館全廃が示されたが、平成22年の第3次計画で「児童館廃止」の言葉自体はなくなっていたこと、平成30年2月20日の「児童館の再活用を」の一般質問に「現児童館を含め活用」との前区長の答弁だろうと考える。

しかし、その第3次計画が初めて報告された常任委員会の議事録には「児童館廃止」が前提の質疑がある。当時は児童館全廃方針は第2次計画と変わらず、全てキッズ・プラザ(以下キッズ)に整備していくという扱いだったのでは?

中野区の回答:  第3次計画で「U18プラザ」は廃止となった。キッズについては第2次計画から変わらず、全ての小学校に整備する方針。

議事録に残る部分で「書かれていないから計画上の廃止ではない」とは言えない。前区長の「現児童館を含め活用」という答弁について、計画上にないことを区長が答弁した場合、一般的に、その後の事業実施プロセスはどうなるか?

中野区の回答: 一般的に区長答弁はその時点の区の考え方を示す。その後、考え方を具体的にした案を作成して、議会に示し、手順を進めていく。

それならば、前区長の答弁を受けて、中野区は事業実施に動いているはずではないか? 答弁から平成30年の区長選挙まで、常任委員会が何回行われたか? 児童館関連の再検討に向けた動きはあったか?

中野区の回答: その間、児童館関連の報告はない。再検討が始まったのは平成30年10月に出した「中野区の新たな区政運営方針の骨子(案)」内の地域の子育て支援拠点の充実から。また同年10月19日の酒井区長の定例記者会見の中で、児童館見直し方針。

森議員の一般質問でも、酒井区長は「順次廃止していく方向であった」と答弁。

以上を踏まえると、中野区は前区長の答弁後も児童館廃止の方針は変更していなかった。子育て世帯としての理想は、現状の児童館が全館「新しい機能を備えた児童館」として残り、キッズも整備となること。

しかし、児童館の機能拡充・施設改修、キッズの経費も増加する。キッズ1館あたり、およその経常経費と将来整備数は?

中野区の回答: 1箇所につき平均4900万の経常経費。小学校20校全てに整備する予定。

単純計算で10億円の増加。改修などを含めるとかなりの額。 「中野区の財政白書」 92ページから95ページを見ると、どちらも一般財源の割合が多い。

利用状況のバランスを考えると、子どもたちのための環境整備が、子どもたち将来世代への大幅な負担増加につながることも確か。

現状は「児童館16館+キッズ11館=27館」。今後の中野区の計画では、「全廃予定であった児童館を9館残して機能強化+キッズは将来的に20館=合計29館」。放課後の居場所の役割を整理し、 機能も拡充。財政負担の中でも、放課後の選択肢が増えたことを改めて評価する。

しかし、例えば「児童館を全館(16館)残して、学童クラブ(以下学童)とキッズを学校内に整備しない」という考え方もある。児童館は誰のための施設と定義しているか?

中野区の回答: 児童福祉法に基づく児童厚生施設で、0~18歳までの児童を心身ともに健やかに育成するための施設。乳幼児親子、小中高生の利用を想定している。

放課後の居場所として学童とキッズを校内に設置すると、児童や保護者のニーズに変化が生まれないか?

中野区の回答: 児童館を利用する児童はキッズ利用に移行すると認識している。周知が進んだ現在、活用・登録率は96%。キッズ併設の学童は、定員の99.9%の利用、「学校内学童の需要が高い」と分析している。

もう一方の児童館利用想定者である乳幼児親子の利用変化は?

中野区の回答: 新型コロナの影響も考えられ、正確な分析はできないが、学童が学校内に移った児童館で、乳幼児親子の利用は減少傾向。

乳幼児親子は、現状の児童館をどう思っているのか。中野区内の子育て中の有志の方々が子どもを取り巻く環境向上を目指して運営されている「子育て向上委員会」が令和3年6月に作成した「中野区立児童館 利用状況&利用希望アンケート」を参照し、一部紹介する。

「建物が古い」
「日曜閉館で使いにくい」
「いつも行ける場所があると心理的に助かる」
「先生が変わってイマイチ」
「U18がよかった」
「スタッフが少なく遊んでもらえない」
「機能が充実していない」
「事務室にいて関わろうとしない」
https://nakanokosodate.localinfo.jp/posts/18803153

児童館への満足度は「やや満足」を含めれば70%近いが、「現状のままでいい」という方は少なく、職員の関わり方、事業内容の評価が低い。

一方、私も何度か職員の方の話を聞いた。

「今の人員配置では自分たちでも満足のいく関わり方ができない」
「児童館廃止の方針を聞いていたため、自分たちの仕事はもう不要だという想いで働いていた」
「機能を強化して、良い場所にしたい」

全館現状のままで維持しても、結果、乳幼児親子のニーズも満たせない。そもそも学童とキッズが学校に入ることになった経緯は?

中野区の回答: 国の放課後総合プランがベース。中野区として安心・安全な遊び場として学校内に整備していきたい。

その時期に事件があり、国の方針と共に「学童は学校に入っているのがいい」という動きがあった。 現在の保護者ニーズは確かに「学校内の学童」が高い。大切に手を繋いで育ててきた子どもの手を離して、独り立ちさせていく。その移行段階の低学年時は、なるべく危険を排除してあげたい保護者が多い。学校内に学童やキッズがあれば、外に出るのは登下校時のみ。安心安全は最大のメリット。総合的判断で民間等の選択を否定するものではないが、新しくなる学校内に学童とキッズを入れることは、子どもと保護者のニーズ。

ただ、「歩いて行ける範囲に子育て施設がなくなる」との乳幼児親子の不安の声も事実。乳幼児親子の居場所として、中野区の施策はあるのか?

中野区の回答: 保育園等、子育て関連施設で「子育てひろば事業」交流の場を提供、現在9箇所開設。児童館で、乳幼児親子が気軽に利用できる交流の場「乳幼児親子ほっとルーム」を実施していく。

次の画像は、子育てひろば+児童館の館数変化前と変化後の「乳幼児親子の居場所」について、ベビーカーや幼児との移動距離を「500m」と考え、利用者のカバー範囲をそれぞれ地図で示したもの。

① 現在の乳幼児親子の居場所(児童館16館+子育てひろば)
② 中野区の今後の方針(新たな機能を備えた児童館9館+学童及び子育てひろば専用施設+子育てひろば)

9館になっても、カバーする範囲にそんなに違いがないことは分かる。

ただし、「子育てひろば」は、すこやか福祉センター/児童館/民間/保育園と、多様な場で実施されていて把握しにくいのは確か。丁寧な説明や情報の出し方が重要。せめてHPに「子育てひろば」の名前と住所をまとめた一覧と地図を乗せてはどうか?

中野区の回答: 利用者視点でわかりやすく見せられるよう検討する。

先の子ども文教委員会で「児童館における一時預かり事業についても報告があった。

「一時預かり」は、中野区内の子育て世帯から一番要望をいただく事業。令和2年度の実施施設は増加したが、利用者は減少。その分析は?

中野区の回答: 東京都の通知に基づいて4~5月の緊急事態宣言期間は保育の実施を縮小、新型コロナの影響で利用者自身の自粛もあった。待機児童の解消に向けて、保育所等の整備が進んだことも要因と考えられる。

預かる部屋が用意されている「専用室型一時保育」の代表である、中野区立保育園のそれぞれの年度の利用率は?

中野区の回答: 平成30年は75.2%、令和元年は76%、令和2年は56%。

年間を通して、需要の高さに変化は?

中野区の回答: 例年は、年間を通じて大きな変化はない。

利用率が年度や年間であまり変わらないのであれば、「専用室型一時保育」の枠は一定上限と考える。今年度「一時保育」を実施する認証保育園が拡充し、その情報が整理されたことに感謝している。

しかし、これら認証保育園の多くは、定員の空き状況によって預かり人数が変わる「欠員利用型一時保育」であり、年度末から4月入園まで入所率が上がり、預かり枠が減る。子どもは毎日生まれ増えている。時期によって預かり枠に増減が生じる「欠員利用型一時保育」の拡充だけでは、残念ながら「一時預かりが利用できない」の声は減らない。

このコロナ禍、DVや虐待の数字は増え続け、令和2年度児童虐待相談件数は過去最多を記録。 過去の一般質問でも、中野区では「保育園型一時保育」のみ実施という問題点の指摘があった。需要の高い一時保育事業の改善と拡充検討のため、今回の試験的な「柔軟性の高い一時預かり事業」の実施を評価する、効果検証が重要

中野区の回答: 区として一時保育事業全体の考え方をとりまとめ、令和4年度の事業内容として検討していく。

障害を持つ子が、それだけを理由に排除されることは無くなってほしい。障害を持つ子の一時保育の受け入れ、現状の中野区の対応は?

中野区の回答: 中野区立の一時保育は集団保育が前提。職員加配対応が必要な児童は、対応職員の配置が難しく、登録・申し込み段階で利用が難しいとお伝えしている。

障害手帳を持っていても、障害は人それぞれ、穏やかに過ごす子もいる。板橋区では、面談で受け入れ可能と判断すれば、障害を持った子どもも受け入れている。

中野区の回答: 預かる際の面接は、現状予約日が決まった利用者は障害の有無にかからわず全員実施。障害のあるお子さんについては、中野区の受け入れ態勢の課題も大きいため、現場の保育園の状況を踏まえ、実施可否を検討する。

関連して「病時・病後時保育」、大幅に利用が減少しているが、その理由は?

中野区の回答: 病後児保育については、子どもの医療機関の受診が減ったこと、インフルエンザ等の感染症流行がなかったことが理由と考えている。病児保育については、実施施設の総合東京病院が、新型コロナ対応で5月以降預かりを休止していたことが利用者減少の一因と考える。

病児保育について、再開の見込みは?

中野区の回答: 実施事業者と再会要件や時期、協議中。

緊急時に仕事を休めない方のセーフティネット、病児保育は必要。早期再開が見込めないならば、代替手段を。

中野区の回答: ニーズが高いことは認識。ファミリー・サポート事業でも病時預かりを実施している。施設型病児保育の早期再開が見込めない場合の代替事業として「訪問型」等を含め、検討していく。

一時保育も情報が散らばっている。「ショートステイ」「母子一体型ショートケア」等緊急性が高い方のための支援、子育て支援課での一時預かり事業等、多様な預かりの場があることを一見で把握しにくい。必要な方に情報が届かないことを懸念している。情報集約や地図化等、利用者視点でHP掲載方法の改善を。

中野区の回答: 毎年区報にて、事業を一覧にして広報している。HPについて、広聴・広報課と連携し、情報の集約ページを作る等、わかりやすい情報発信となるよう改善したい。

子どもの成長は早く、1年があっという間。「また来年検討する」「来年実施する」その間に子どもたちは大きくなり、子育て世帯は中野区を諦めて転出していく。

中野区が真の「子育て先進区」になるためには、子どもと子育て世帯向け施策のスピードが必要。区長の見解を問いたい。

中野区の回答(酒井直人区長): 親子にとって貴重な1年。「子どもの今こそが大切」という視点で子育て環境を整備することが重要。子どもの今と未来に責任を持つ1人の大人として、迅速に取り組みを実施していく。

4、広報について

令和2年度から「広報アドバイザー」が採用されたが、予算時の見込みと実績の差は? その見解は? 

中野区の回答: 予算編成時は「月5日」勤務想定、最初はアドバイザー自身が広報物や動画を作成したが、当課職員が作成したものを監修する役割になるなど、指導・助言の比重が高くなり、当課とアドバイザー双方で「月4日」程度の勤務がちょうどよいとの合意に至った。新型コロナの影響で、当初想定より出張費用も減った。

「特別定額給付金」「災害情報発信」等、令和2年度は情報発信の価値が見直された1年だった。さまざまな面で広報アドバイザー活用、広報意識の浸透が見られた部分も多く、 1年間での費用対効果としては非常に高いと評価している。

「多言語化アプリ(多言語対応電子書籍「カタログポケット」)」について、効率化と区民サービスにつながったことを評価する。最も大きな効果があった部分は?

中野区の回答: 3か国語での外国人向け区報(年4回4ページ)を発行していた時と比べ、対応言語と提供情報量が格段に増えた。経費も98万円ほど減った。費用対効果向上と自分たちも評価している。

日本に来ている外国の方は、生まれた国との連絡手段の多くがインターネットと想定される。アプリ活用との親和性は高い。周知方法は?

中野区の回答: 複数言語に対応している中野区HPで周知、案内チラシも作成している。チラシも多言語アプリで閲覧できるようにし、中野区のSNSで周知している。

このチラシは、広報課で作られたのか?

中野区の回答: 広聴・広報課職員で作成した。

子育て世帯に向けた「子育て情報のLINE発信」も評判がよい。見る側に合わせてメディア特性を活かすことは情報伝達で重要。点字の区報も評価する。今後も一層の工夫と周知をお願いする。

中野区の回答: 伝達する内容や対象で、情報発信の方法を常に工夫しているが、まだまだ改善の余地が大きいと認識。区民の意見もどんどん取り入れ、広報アドバイザーの指導と助言の下、 区民に届く、わかりやすい情報発信に努める。

情報整理・見せ方等、他の課に広報が関わる基準は?

中野区の回答: 当課で広報ガイドラインを策定、庁内へ周知しているが、十分に浸透してないと認識。広聴・広報課が各課に関わる基準は特になく、広報クリニックの依頼を受けて対応するか、危機情報など緊急の情報発信について当課から各所管課へアプローチ、支援するなどが現状。

この質疑の中だけでも、「ひとり親ホームヘルプサービス」「子育てひろばや一時保育のHPの改善」等を指摘した。課題がある部分を見つけ、広報課が当初から編集的視点を持って一緒に関わり、見せ方を再構築する必要があるのでは?

中野区の回答: 庁内サービスは多岐に亘り、内容理解が容易でないものも多いが、情報の受け手である対象の区民に届く情報発信が課題と認識した。例えば動画活用などの方法も含め、当初から担当課と当課で協議して広報物を作成するなど、わかりやすい広報に努める。

政情報誌発行「転入者向けパンフレット」は、執行停止された「わたしの便利帳」と「おひるね」の代替品。二次元コードでHPに案内される工夫は、若い世代の流入が多い中野区で有効と思われる。パンフレットの制作意図は?

中野区の回答: 便利帳などの代替として作成した。インデックス的で、デジタルツールを使いこなす世代に一覧で案内でき有効と判断、最低限必要な情報を届けられると考えている。

ツール自体に意義がある。同じ工夫を活用し、令和3年度には「なかの生活ガイド」 として内容が拡充した。これも広報課で作ったのか?

中野区の回答: 広聴・広報課職員で作成。

内製できるようになった費用対効果、広報アドバイザーは効果があった。

だが、たどり着いた先のHPに、まだ改善の余地が多い。困りごとから検索する時、所管がまたがると情報が散らばり、利用者視点で整理されていない。情報にたどりつけないと、公平なサービス提供とならず、区民の不満につながる。今後ますますインターネット上の情報発信が肝となる。

HP全体を再構築しては? 業務をしっかり見直した分、必要な改善を。どんなに良い支援をつくっても、必要な方に届かなければ全く意味がない。引き続き広報の活躍を大いに期待、広報アドバイザーの最大限の活用、丁寧な情報発信と改善を要望。

中野区の回答: 都度改善を重ねているが、根本的にスマートフォン対応でない等、利用者の見やすさや・使いやすさという点で限界を感じている。今後、より一層、HPの情報掲載やSNSでの情報発信の改善に努めたい。基本計画案でも示ししたように、令和5年度に向け、HPの全面再構築を考えている。

5、通学路の安心安全について

通学路の見守りについて、業務委託の金額が増えている。新型コロナの影響はあるのか?

中野区の回答: 交通安全指導員は、シルバー人材センターに委託。当該地域の会員が従事している。令和元年度以前は「年間35日」配置であったが、令和2年度から「通年225日配置」で予算措置した。令和2年4~5月は学校が臨時休業であったため、見守り時間は計画よりも減少した。

千葉県八街市の事故を受け、先日の補正予算で、道路課がスピードが出すぎる通学路のカラー化を実施した。これから学校の通学路点検でも確認される。この視点で見直すべき場所はもっとあるのでは。スクールゾーン啓発も含め、今後も十分子どもたちの安心安全を守る調査と取り組みを。

中野区の回答: 見守りポイントの増加要望をしている学校もあり、相談を進めている。スクールゾーン規制や啓発等、一層の対策に努める。

大阪府北部地震でブロック塀の倒壊による事故が発生し、ブロック塀の撤去助成や、緊急点検があった。国では自治体が耐震改修促進計画に記載の避難路の沿道の既存耐震不適格のブロック塀等、耐震診断が義務づけられた。中野区の現状は?

中野区の回答: 都の基準で、中野区内には該当するブロック塀等はない。

令和元年の把握調査の後、動きは?

中野区の回答: 特に危険性の高い避難路および通学路に面するブロック塀等について、職員が再調査を行った。指導の優先順位を決め、安全管理に関する文章と改修事業の案内等を訪問で伝えた。不在の場合は郵送で連絡した。

指導効果はあったか? 目標数値や時期等を定めてはどうか。

中野区の回答: 幅員4m以上の道路に面するブロック塀等の単独除却は実績として上がっているが、セットバックが求められる狭隘道路沿道は難しい状況。個別の啓発や、丁寧な相談対応をしていく。

未だブロック塀の危険について、区民に声をいただく。来年度はさらに、所有者の方への支援を強化しては?

中野区の回答: すでにこれまでブロック塀等の除却費用を加算措置してきたが、重点的に取り組むべき施策として位置付け、検討していく。

3、保育の質と待機児童について

さまざまな変化がある保育。「保育園入園申請入力業務の自動化の導入」は十分な効率化と区民サービスに繋がったと、評価している。具体的に大きな効果があった部分は?

中野区の回答: 作業時間500時間の削減につながった。申請書の簡略化で、申請書が7種類から4種類に削減、申込者の負担も軽減した。今年度は自動入力対応で、さらなる作業効率化を図る。

待機児が減少している。区の努力を評価する。一方、入所率は下がって、定員に空きが出ている園もある。「構造改革実行プログラム」に「区立保育園10園は、保育需要の調整機能を担っており、今後の保育需要に対し供給過剰になった場合、定員の調整や廃園を検討することとなる」とある。しかし、2歳以上児の面積基準、日本最低基準は1.98㎡、区内の区立認可平均2.9㎡、私立認可平均2.61㎡で、世界基準はフランス3.1㎡、スウェーデン7.5㎡。0歳児では、日本の最低基準3.3㎡、認証保育園は都の認定で下回るところも。

国は待機児解消のため定員以上入園する「弾力化」を認め、面積基準等の一定条件をクリアすると定員最大25%まで増加可とのこと。中野区内に弾力化の適応園はあるのか?

中野区の回答: 認可保育所12園、認定こども園2園の計14園。

希望が集中している園には子どもが多い状態が恒常的なことを解消してほしい。真に必要な方が必要な時にこそ柔軟運用できる状態が「保育の質」を担保した望ましい姿と考える。

区立について定員調整弁と書いてあるが、例えば空きが多くなっている0~1歳の区立の定員調整で、私立の空き補充になるのでは?

中野区の回答: 区立保育園の定員縮小により、区全体の調整を行なっていく。

園庭のない施設型の認可は85園中36園と44%近い。小規模や認証、無認可保育施設のほとんどに園庭がない。待機児の数字だけで容易な区立廃止議論の前に、この中野区で育つ子どもたち一人一人の安心安全を考えて環境を整えること、「保育の質」の担保が区の責務。

中野区の回答: 区の重要な役割と認識して務める。

これにて全ての総括質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。