中野&区議会報告

2022年9月13日、河合りな一般質問「避難所の充実/ペットとの共生社会/各種支援で子どもたちの環境と保育の質の充実など」令和4年度・第3回定例会

令和4年第3回定例会にて一般質問いたしました。

文字数省略したので、詳細や正確な質疑は中野区議会議事録をご確認いただき、疑問等は直接気軽にお問い合わせください。
SNS等で断りなくHP文章の一部を切り取る行為はご遠慮ください。

「一般質問」とは

区政の一般事務の執行状況/将来方針/政策的提言/行政課題などについて、
議員が区長などに直接質問し、公式見解を引き出すことができる重要な機会。区民にとって必要不可欠な政策や制度を整える目的です。

目次

1.全ての人が過ごしやすい避難所について
 (1)防災意識の向上について
 (2)備蓄物資の充実について
 (3)要配慮者視点の避難所について

2.ペットとの共生社会について
 (1)防災と同行避難について
 (2)最後まで共に暮らすことについて
 (3)地域猫について

3.子育て・子育ち・教育について
 (1)保育園・幼稚園について
 (2)小中学校について
 (3)図書館について
 (4)児童館について

4.支援が必要な方への政策について
 (1)障がい児者について
 (2)ひとり親家庭について

1.全ての人が過ごしやすい避難所について  

 中野区内の防災機能は近年強化されているが、難民や被災者に対する人道救助の最低基準を定める「スフィア基準」が掲げる2つの基本理念「被災者は尊厳ある生活を営む権利がある」「災害による苦痛を減らすために実現可能なあらゆる手段をとらえなければならない」を基に、区民は防災意識の更新と向上が必要で、区も多様な視点で避難支援の質をあげるべき。

(1)防災意識の向上について

 災害時、防災や避難所の運営主体が男性中心で、高齢者や子育て世代への配慮やニーズに応えきれない課題が顕在化。多様な視点を持つため、防災分野への女性進出が求められる。

現在の中野区の防災体制・避難所運営・今後の防災分野への女性参画に対する考え方は

中野区の回答:  防災危機管理課の女性職員は3/31人。非常時対応は全職員を対象に災害規模、種別に応じて段階的に動員し、万全を期している。

区民主体の避難所運営でも重要性を認識。避難所運営マニュアルにも、女性に配慮が必要な場合に女性を配置することを明記。

防災分野の女性視点での準備や活動、今後も積極的に促す。

 近年防災の考え方は「災害時には避難所に行けばいい」ではない。コロナ禍、危険のない人は自宅を避難場所とする「在宅避難」への区民認識は乏しい。

 在宅避難では、自宅の耐震化、災害に備える必要。「中野区民防災ハンドブック」は、今年度リニューアル、良く出来ている。

 区が情報発信に努める中、区民の防災意識を高めるには、世代や関心ごとに合わせた興味を高めるきっかけづくりが重要。東京都では多くの防災セミナーを用意。地域や子育て団体などと連携して、防災意識のきっかけづくりと向上に努めては?

中野区の回答:  現在も動画コンテンツを活用し区民の防災意識の向上に努めている。

外国人や子育て世代等の普及すべき対象者に合わせ、積極的に区の各部署や関係団体等と連携し事業推進したい。

(2)備蓄物資の充実について

 「避難所だから仕方ない」を、準備段階で極力なくすことが求められる。

 「7町会・自治体合同防災訓練」では防災倉庫内の食糧にクラッカーが多く、食の満足の面で参加された方から不安の声

 他区を調査したところ、アルファ米など調理食品が多い。食糧備蓄をどのように考えているか。

中野区の回答:  避難倉庫には発災から3食を目安に、クラッカーの他、おかゆ・アルファ米、流動食、ハラル認証品など備蓄。

クラッカーが多いのは発災直後の混乱で動きが多い中、簡単に栄養補給をするため。

 被災時の混乱の中、窃盗・性犯罪などが発生する可能性。中野区では防犯への配慮など避難所運営管理マニュアルに掲載しているが、弱い立場の方が守られ、全ての人が犯罪に巻き込まれない工夫が必要。 

 他区で防犯ブザーやホイッスルなどを避難所に用意しているところも。検討しては。

中野区の回答:  避難所での犯罪防止や発生時の対応を充実したい。防犯ブザーやセンサーライト導入を検討。

(2)要配慮者視点の避難所について

 個別避難支援計画について、以前一般質問で「要支援者名簿の範囲から抜け落ちないよう、周りに支援者のいない難病者や妊産婦など一定条件を追加し、そのうちの希望者は登録を」との問いに「支える側に配慮しながら検討」と答弁。計画の対象範囲充実には、作成側の負荷も大きい。

 計画作成支援をするケアマネに支払われる委託料は、中野区では3千円で平成28年から改訂されていない。改定を検討し、個別避難支援計画の拡充を進めては。

中野区の回答:  委託料は他区の状況を調査し、受託事業所にもヒヤリングを行い検討。

 以前、現在の中野区地域防災計画に「性的マイノリティ」への言及がないことを指摘。

 避難所運営管理マニュアルには記載されているが、来年計画改訂のタイミングで、具体的な記載を求める。

中野区の回答:  多様な性のあり方について正しく理解し、災害時のニーズへの対応に備える必要がある。計画修正時にLGBTQの方に配慮した記載を検討。

 外国の方や障がいのある方なども避難。スムーズなコミュニケーションの工夫が必要。

 他区では避難所に外国の方への多言語翻訳機や、絵記号などを使ったコミュニケーションボードを用意。検討しては。

中野区の回答:  現在、避難所には簡易筆談機や外国人向けに3ヶ国語(英・中・韓)対応のヘルプカード配備。多言語コミュニケーションボード導入も検討。

2、ペットとの共生社会について

(1)防災と同行避難について

 ペットも家族の一員として責任を持ち、共に災害に備えることが大切。

 杉並区ではペット防災の冊子をpdf掲載豊島区ではいざという時に避難所以外の選択肢として預かり先探しを促すなど、事前の取り組みの啓蒙に努めている。「ペット防災」と不安を持つ方に、自分事化して考えてもらえるよう、工夫しては。

中野区の回答:  安心して共に避難できるように、ペット同行避難について、中野区HPや定期的に発行の愛犬・愛猫手帳に記載、普及啓発を実施。他自治体事例を参考に、工夫する。

 「同行避難=災害時ペットを連れての避難が認められている」について、浸透していない。

 愛犬手帳・愛猫手帳にもペット防災や同行避難を掲載しているが、そもそも手帳の存在を知らない方が多い。

手帳の周知を図り、協力していただいている動物病院でも積極的に配布していただいては。

中野区の回答:  保健所・すこやか福祉センター、地域事務所などの窓口や東京都獣医師会中野支部の動物病院で配布。周知の工夫を含め、配布方法も協力していただける動物病院と調整する。

(2)最後まで共に暮らすことについて

 ペットと暮らす中で、飼い主自身が先に亡くなったり、高齢化や病気で飼育しきれなくなり、周囲の方が困ることが昨今の課題。また、ペットがいるため災害時の避難・介護施設などへの入所拒否がある。未然防止への取り組みが必要。

 台東区では、高齢者向け・事業者向け・地域福祉関係者向けのパンフレットを用意。

 次年度の愛犬・愛猫手帳の改訂時に、導入された装着マイクロチップの記入欄と併せ「お世話ができなくなった時にお願いする方の項目」記載を。また、地域で未然防止に取り組みを始めては。

中野区の回答:  愛犬・愛猫手帳の改訂で掲載できるよう工夫。高齢者の方が健康上の理由などでペットが残されるケースがあることは課題と認識。あらかじめ引受先を決めて置くなどの準備は重要。先進事例を参考に、何ができるか研究。

(3)地域猫について

 飼い主のいない猫について、中野区では町会・自治会で行う地域猫活動には不妊・去勢手術助成がある。実態はボランティアが中心であることも多いと聞いた。

 現在23区内、町会・自治会だけに助成金を出しているのは中野区のみ、他区はボランティア団体や個人の方などにも支給。制度を改善しては。

中野区の回答:  愛護動物と共生できる地域社会づくり推進のため、ボランティア登録制度や不妊去勢手術費用について検討を進めている

3、子育て・子育ち・教育について

(1)保育園・幼稚園について

 前回一般質問にて保育園待機児童ゼロ達成後の取り組みについて求めた。これからはさらに子どもたちの過ごす環境や、保育の質の充実に力を入れるべき。

 子どもたちの命、安全、保育内容、保育士の労働環境、施設管理など、直接確認する「実地検査による保育施設の指導監査」が重要。

 区内の保育施設の指導検査は毎年多くの指摘がある。子どもたちの安全管理・子どもたちに接する保育士の環境は、子どもたちに大きく影響。

 中野区が目指す保育の質に向けて各園が取り組めるよう、区として保育の質の確保にさらなる責任を持ち、年に一回以上実地検査を実行できる巡回体制を整えるべき。

中野区の回答:  11月より児童福祉法施行令の一部が改正、実地検査基準が緩和される予定ではあるが、実地検査は施設の適正な運営や保育の質確保のために重要、強化を検討。

 コロナ禍、消毒や少人数グループ保育など、保育士業務の多忙化。人手が足りないために活動縮小、子どもたちの命や安全が脅かされることなどあってはならない。

 国と都の補助事業「保育体制強化」及び「保育補助者雇上強化事業」、保育支援者や保育補助に係る賃金などの補助がある。活用し、保育士の負担軽減を図っては。

中野区の回答:  業務過多のために「新型コロナウイルス感染症対策支援事業補助」を実施。業務負担軽減のための補助金活用は、区にも財政負担が生じるため、研究する。

 保育士確保のため「宿舎借り上げ制度」へ継続要望の声。子どもたちと接する保育士確保は、保育の質に直結。

 国で保育士の処遇改善に取り組んでいるが、厚生労働省のR2年度「賃金構造基本統計調査」では正社員保育士の給与の平均年収は約374万円で、国平均年収487万円と比較し、いまだ低い。

 宿舎借り上げ制度を継続し、処遇改善に努めては。保育士人員確保のためにも事業者へ、継続について早期周知を。

中野区の回答:  国・都の補助を受けている事業であり、来年度も継続予定。

国・都の動向に注視し、可能な限り早く伝える。

 火災・地震等に備える加算「施設機能強化促進費加算」は条件が2つ以上そろうことで該当するが、事業者は加算がなくとも災害へ備える。

 条件の1つに「乳児3人以上利用の施設」、今後育休取得拡大で0歳保育需要が減る中、条件から漏れる事業者増加が見込まれる。

 2つ以上条件を満たす難易度が高いため、1つ満たせば半額など、段階をつけ支給しては。

中野区の回答:  要件を満たさなければ支給を受けられず、特に小規模では⑧割が未支給。災害への備えは施設の大小に関わらないため、検討を進める。

 地域形保育事業・認証保育所へ、R3年より欠員による減収補助が2年限定支給、本年が2年目。

 これまで柔軟な保育を担っており、待機児童ゼロ後の考え方が定まっていない中、未だ一定の受け皿である。

 保育園待機児童ゼロ達成後の取り組みについての考えが定まるまでは、減収補助を継続しては。

中野区の回答:  来年度の予算編成に向けて、事業の継続を含め検討中。

 R3年から始まった発達や障がいなど養育課題の相談助言する保育ソーシャルワーク事業は、おおむね評判良いが、使い勝手に課題があると聞く。

 より使いやすい制度になるよう、園側からヒアリングして課題整理、事業者に対応を依頼しては。

中野区の回答:  昨年度末に保育施設長及び保育士を対象としたアンケートを実施。結果を事業者と共有して今年度の事業を始めた。随時いただいた課題は毎月打ち合わせで内容共有を行い、改善を図っている。

 障がいのある子どもたちの預かり、区ではできうるかぎり共に育つ環境を整えている。私立保育園でも進んでいるが、17時以降の預かりは加配しておらず、園側の努力に頼っている。検討を。

中野区の回答:  原則障害のある子どもの預かり時間は8時半から17時のうち8時間だが、実態調査し検討。

 医療的ケア児の預けられる園の充実を求めてきたが、保護者からは場所が限定されるため移動支援の要望。

 都では「医療的ケア児保育支援事業」で送迎加算がR4年に新設、バス購入費と運転手・看護師の雇上費用の補助が出る。

 補助金活用検討を。また、酸素投与等、担える医療的ケアの幅を広げては。

中野区の回答:  地域需要を把握し、施設の環境整備や移動支援については研究。医療的ケアの範囲拡大は、子どもの安全に関わる課題を含め、慎重に検討。

 一時保育専用室保有の保育園数も増えたが、まだ利用予約や支払いの手間など、改善の声が。

 子育て世代への親和性が高いことから、一時保育の申し込みなどのLINE活用を求めてきた

 現在の検討状況は。

中野区の回答:  R5年度の導入に向けて検討中。

 今年度、幼稚園の「園児の集い」が実施できることは、中止が続いた中で卒園前に家族との思い出を残せると、多く喜びの声。

 今後も補助を継続しては。

中野区の回答:  園児の情操教育に大変有意義な活動であり、今後も支援を継続する。

 中野区内の私立幼稚園等保護者補助金は、他区と比較すると、所得制限がないため保護者に対して補助額は多いが、入園料補助金は少ない。

 保護者負担のさらなる軽減を検討しては。

中野区の回答:  3年間の合計した補助額は特別区の中でも高い水準で、現時点では増額を考えていない。

 幼稚園に子どもを預ける保護者の社会状況も変化、働いたり社会活動に力を入れたい方への支援充実を。

 区内幼稚園の多くは新制度に移行しておらず、現状は15日以下~20日未満、20日以上、5時間以上6時間未満、6時間以上という日数と時間の段階で補助金支給額が異なる。

 保護者ニーズにあわせ、預かり保育の夏季休業時期の預かり日数の段階を増やし、多く預かる園への補助金を上げては。

中野区の回答:  条件を細分化するなど検討する。

(2)小中学校について

 「中野区の教育」の区長のタウンミーティングに参加。教育に対する期待に満ちた素晴らしい意見が多くあった。特に教育には予算を割いて欲しいとの声が多く、時代のスピード感に合わせた学びを区として担保していく必要。

 例年全国学力・学習状況調査結果がトップクラスの秋田市に視察へ。指導主事の人数が18名と多く、各教科担当もおり、学校へのサポートが充実、さらに学校現場を時間をかけて丁寧に巡回することでコミュニケーションが深まり、秋田市が目指す学力向上の取り組みが定着。

 中野区の目指す教育実現のために、教育委員会側の体制充実を検討しては。

中野区の回答:  都教委の判断で区への配置、原則都。

 保護者から、学校やクラスによりICTの活用に未だ差があり、ICT教育へさらなる努力をとの声。

 現場を支え、保護者ニーズに応えるため、兼任ではないICT専門の指導主事をおくなど、教育委員会側からさらなるICT教育を牽引体制を検討しては。

中野区の回答:  指導主事とICT支援員がこれまで以上に連携を図るなど、ICT教育充実の体制づくりを進める。

 これまで、学校での指導体制充実のための「教諭職の任期付短時間勤務職員」の増員を要望。

 タウンミーティングでは区の今後目指す方向性の1つとして「多様性」と「地域のつながり」を強みにした教育をあげた。コミュニティスクールも始まる中、人材をさらに見つけることが可能に。

 今はおよそ各校1人配置だが、数を増やし、今後の時代の変化、多様な子どもたちを学校現場で受け止めていくという区の目指す姿を実現する体制充実に備えるべき。

中野区の回答:  中野区が独自に採用した教員を小中学校に一名ずつ配置し、少人数習熟度別指導や放課後学習教室、夏季休業中の補充学習教室での指導に当たっている。増員の検討を進めている。

 依然として他区と比べれば、通学路見守りにかかる助成は少ない。

 シルバーさん以外の方法も模索しながら、予算をつけて、見守り充実を。

中野区の回答:  交通安全指導員の配置時間を増やし、安全対策を推進する予定。シルバー人材センターの体制も含め、適切な手法も研究したい。

 中野区が主催した、子ども・子育てに関する講演会「幼少期からの性教育~性のはなし、子どもにどう伝える?~」は大変好評だった。

 会派からも、以前から時代に合わせた性教育の実施を訴えている。勉強会を主催し、ユネスコなどにより世界中の性教育の専門家の研究と実践を踏まえた「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」から、日本はかなり遅れをとっているとの話。

 学習指導要領に則るだけでは、保護者ニーズと子どもたちのための人権の視点を含んだ包括的性教育が不足。

 都や助産師会を積極的に活用し、さらに区内で前向きに取り組んでは。

中野区の回答:  子どもたちの状況や社会的背景に合わせ、家庭の理解を得た上で、指導内容を工夫する。

 性の多様性を尊重する教育推進も重要。幼い頃から体や心に違和感を感じる、性的マイノリティの子どもは一定数いる。

 全ての人は、それぞれのセクシャリティを尊重されなくてはならない。

 現場の先生は指導する立場として、包括的性教育を学び直し、研修機会を持つべき。

 また、LGBTQが要因で孤立しないために、不安を抱える子どもへ専門相談や機関の情報提供を。

中野区の回答:  教員の啓発は、各校の人権教育担当教員や中堅教員対象の研修会で扱っており、区の人権教育推進委員会で授業実践・指導事例を掲示。実際に本区中学校で多目的トイレ使用や、体育等の更衣場所を分ける事例あり。

子どもたちに対し、相談しやすい体制周知をさらに充実する。

 給食について、葛飾区では来春から完全無償化の報道。義務教育に係る費用は無償であるべき。

 中野区で実施した場合の金額負担は。

中野区の回答:  R5年度の人口推計に基づき、今年度の給食費保護者負担額から算出した場合、区立小中学校食材費相当額は約8億2千万円程度。

(3)図書館について

 中野東図書館が利用者に好評、子どもフロアの影響は大きく、児童書の貸出冊数も伸びている。

 区としては子ども文教委員会の「子ども読書活動推進計画」の質疑の中でも、新しい本を増やすと貸出冊数に影響を与えると答弁。

 区立図書館の児童図書をさらに充実を。また、中央図書館の児童図書コーナーもリニューアルを。

中野区の回答:  今後、古い図書の更新、より興味を喚起する配架等、工夫しながら充実する。

中央図書館は、国産木材等を活用し、より楽しくなる工夫を検討。他の区立図書館も順次改善を図りたい。

(4)児童館について

 会派として、子育て・子育ちを支える大切な子どもの居場所であり、条例が否決されて以降、児童館が持続可能な状態で継続していけるのか懸念。

 検討状況は。

中野区の回答:  子どもと保護者のニーズをとらえた地域施設全体の考え方について検討、今定例会で示す。(定例会で示された案

4、支援が必要な方への政策について

(1)障がい児者について

 障がいを持つ方の本人の最善の利益に応え、支える側の支援拡充を。生活介護施設・短期入所など、数が十分でないとの声。

 特に、医療職の見守りが必要な障がい児者を受け入れる短期入所施設は「江古田の森」一箇所で、定員も1名。

 重症心身障がい者や医療的ケアの方が希望日数を利用できるよう、江古田三丁目整備用地(旧療育センターアポロ園跡地)を含め、生活介護施設・短期入所の整備をさらに進めては。

中野区の回答:  より慎重な対応が必要な重度障害の方が増えている。今年度、障害者福祉会館工事、R5年4月より東京都重症心身障害児(者)通所事業を実施予定。

江古田三丁目跡地整備の他、生活介護、短期入所共に、充実に向けて検討。既存の事業者にも働きかける。

 放課後デイサービスは増えたが、重症児が利用できるのは区内2箇所と変わらず、希望通り受け入れられない状態。

 今後も医療の発達から、医療的ケア児なども増えると考えられる。

 重い障がいがある子どもたちの、放課後の居場所が必要。中野区として考え方をまとめては。

中野区の回答:  全庁で共通認識を持ち、連携を図りながら、検討を進める。(定例会で示された案

 利用者より、医療的ケア児者の生活介護施設送迎バスへの看護師不足の声。

 看護師以外の医療的ケアの担い手を探すなど、他サービス事例を参考に、工夫できることがないか検討を進め、送迎体制の充実を。

中野区の回答:  送迎バスに乗車できる介助者の確保、本人などの安全管理など、送迎による課題を解消できるよう、事業者と調整を図りながら体制充実を検討。

 重症心身障がい者の学習機会として「社会教育訪問学級」制度、月二回、年18回受講可能。

 回数を拡充しては。また、大学などへの修学支援の実施も。

中野区の回答:  年間受講回数は18回だが、改善を検討。就学支援金のニーズは把握。実施も検討。

(2)ひとり親家庭について

 今年度、養育費支援として公正証書作成に係る費用補助が始まり、大いに評価。また、R4第2回定例会子ども文教委員会で「ひとり親家庭支援に係る考え方について」示された。

 今まで不足していたという認識を持って、今後の支援の形として、民間団体の情報も収集し、支援の輪を広げて支えることも求められる。

 示した考え方に基づいた支援を実現するためにも、区が責任を持って体制づくり充実を。

中野区の回答:  R5年より母子・父子自立支援員を増員、ひとり親家庭に対する相談体制を充実したい。

 ひとり親家庭の大きな課題が住居。

 収入が減って急遽引っ越すこともあるが、直接的な転居や家賃補助はない。特に保護者の離婚で傷ついた子どもたちが中野区を出ざるを得ず、友達と離れ離れになる状況なども考えられる。

 23区では、およそ半数が転居か家賃の補助を実施。検討を。

中野区の回答:  居住支援協議会において、住まいの相談支援の取り組みを推進。補助について、政策効果や他区動向を注視しながら、研究する。

 プレひとり親について、R4年予算総括質疑で「客観的資料があってひとり親家庭相当とみなされる場合、児童扶養手当が受給されるが、ない場合の判断が難しい」と答弁。引き続き検討を求めた。状況は。

中野区の回答:  早い段階からの支援が必要であることは認識。児童扶養手当の支給要件は国で定めているため、区が要件緩和できない。中野区独自の経済的支援を来年度から実施するように検討。