中野&区議会報告

2023年2月22日、河合りな総括質疑「令和5年度当初予算(案)」「児童虐待を生まないための一時保育の拡充」「ひとり親家庭 支援の拡充」令和5年度・第1回定例会

令和5年第1回定例会、予算特別委員会にて総括質疑いたしました。

毎年2月の定例会では、来年度(R5年度)の予算が「適正か?妥当か?」を審査するため、全議員出席の予算特別委員会が設置されます。

文字数省略したので、詳細や正確な質疑は中野区議会議事録をご確認いただき、疑問等は直接気軽にお問い合わせください。
SNS等で断りなくHP文章の一部を切り取る行為はご遠慮ください。

目次

1.令和5年度当初予算(案)について
2.児童虐待を生まないための一時保育の拡充について
 (1)未就園児の定期的な預かり事業について
 (2)一時保育・一時預かりの登録・申請の一元化について
 (3)預けやすい環境整備について

3.ひとり親家庭支援の拡充について
 (1)実質ひとり親家庭への支援について
 (2)養育費確保支援事業について

1.令和5年度当初予算(案)について

一般会計について

前年度比増減率が23.9%。予算規模が拡大しているように見える(令和5年度当初予算(案)の概要p13)。昨日の森議員質疑より、財政の健全性は保たれており、この規模の予算を組めることは確認した。

大きな影響の要因と額は。要因が無いと仮定した場合の、R5一般会計増減率は。

中野区の回答:  区役所新庁舎整備事業で144億7100万円増、平和の森小学校用地取得で87億1100万円余増。合計額230億円程度。なかったとすると一般会計規模は1726億円、9.3%ほど増。

他区の状況は。

中野区の回答:  どの区も増。23区全体、R5年5.7%増。

区役所新庁舎整備費は、中野駅新北口駅前エリア再整備事業の事業スキームに基づき、区有地等の資産活用による転出補償にて確保。現平和の森小学校の跡地の予定は。

中野区の回答:  売却予定。用地購入費もおよそ見込んでいる。

以上、増減率23.9%の大きな要因の事業費用は、一時的であることを確認。

歳入について

特別区交付金に次ぐ区の基幹収入の特別区税伸び率10.1%、その中で区の歳入傾向が捉えやすい特別区民税10.7%。(令和5年度当初予算(案)の概要p15)(予算説明書補助資料p3

他区の状況は。

中野区の回答:  全区でR4より予算増を積算。中野区伸び率は23区中1番。

23区全体で1番と、まるで中野区の景気がよくなったよう。

しかし過去予算を確認したところR4特別区交付金の伸び率23.9%と高く、前年R3伸び率が-11.1。要するに前年度予算を厳し目に積算すると次年度伸び率に影響。当てはめると、中野区はR4予算を厳しめにみたためR5予算で伸び率増となったとも考えられる。

特別区民税について

R5予算は354億円余。

R4一般会計8次補正で大幅増額。R4決算徴税見込み値は。

中野区の回答:  37億4000万円増の358億5313万5000円見込み。

比較すると特別区民税R5予算は、R4決算徴税見込み値よりも減。要因は。

中野区の回答:  R4補正後とR5予算を比較すると0.8%減。R4は株式などの高額譲渡所得の納税義務者がいたため、R5予算はその影響額を見込まず、寄付金全額控除の影響を加味して積算。

他区の状況は?

中野区の回答:  R4補正後よりも高い区が16区、低い区が中野区を含む7区。

各区状況も違うので一概には言えないが、半数以上の区は増予測、中野区はR5も特別区民税を厳しめに見込んでいるとも考えられる。

財政フレームの特別区税(令和5年度当初予算(案)の概要p29)について

今後10年は中野駅周辺まちづくりが進み、特別区税に影響を与えると考える。

まちづくりの要素は財政フレームの特別区税の算出に考慮されているか。

中野区の回答:  考慮されていない人口推計をもとに算出。

R4予算と決算見込み値のずれ要因に、まちづくりも影響するのでは。納税義務者数に、新型コロナウイルス感染症以外の影響と見られる数字変化はあるか。

中野区の回答:  特別区民税の課税状況から分析。R4とR3の7/1現在の課税標準段階別納税義務者数を比較、課税標準額700万円超の納税義務者が増、全体に占める割合も6.93%→7.75%と大きく増。

まちづくりの影響で給与の高い人の割合が増えたとも考えられる。

他会派同僚議員からも、行政需要へのまちづくりの影響をもっと考えるべきと指摘あり。まちづくりによる人口などの変化は、区政全般に影響を及ぼす。

特別区税の算出に、まちづくりの影響を反映している人口推計を活用しては。

中野区の回答:  R3は23億9500万円、R4は37億6400万円、補正予算増計上。より高い精度となるよう検討。

過去5年特別区税、予算と決算の値で大きな差。都や国基準算定に基づく特別区交付金すら大きくずれることもあり、区独自で積算する特別区税の予測はさらに難しい。

しかし、少しでも見通しを明確にするため、データ活用できる部分はさらに精緻な予算計上を。以上、いくつか気になる数字を確認したが、本年予算においては特に問題ないことを確認。

特別区民税の徴収率について

税収を伸ばすため徴収率向上重要。R5は99.0%見込み。

R4決算見込み値での徴収率は。

中野区の回答:  99.2%。

R4予算時徴収率より高くなった理由は。

中野区の回答:  98.7%と見込んでいた。国税OBである滞納整理専門員を活用した専門的な滞納処分や財産調査業務委託課による調査件数の増など、着実に取り組み成果が上がった。

他区の状況は。

中野区の回答:  速報値、R5年1月末時点の23区平均特別区民税現年課税分徴収率は79.0%。中野区78.8%より0.2%上。昨年同時期0.7pt差より0.5pt高い状況。着実に差は縮まっている。

これまで23区平均から離されていた中野区の徴税率、差が少しづつ埋まっていることを評価。

「特別区民税の区外滞納調査方法の変更」見直し記載について

令和5年度当初予算(案)の概要p38)。

理由は。

中野区の回答:  本格実施したR2は徴収効果が大きかったが、R3は引き続き未納となる方が多く効果が小さい。

事業委託を継続しても、徴収額は上がらないか。

中野区の回答:  R3行政評価、納付率が当初計画よりも低い結果。一件あたりのコスト・納付率も高く、効率性が低いと判断(令和5年度当初予算(案)の概要p11)。今後は調査方法を変更、課税権を有する自治体に直接照会を行い、より効果的に滞納処分や執行停止につながるよう実施。

必要な事業の見極めと評価。ただし、税負担の公平性観点からも、引き続き事業自体は区として継続努力をされ、徴税による歳入基盤の安定について今後の取り組みに期待。

2.児童虐待を生まないための一時保育の拡充について

(1)未就園児の定期的な預かり事業について

これまでも就労以外の多様なニーズに向けた保育支援拡充を求めてきた。

「保育所等の空き定員を活用した未就園児の定期的な預かりモデル事業」(令和5年度当初予算(案)の概要p43)高く評価。

保育園で未就園児を預かるという意味で「保育園での一時保育事業」と近い。

事業詳細は。

中野区の回答:  認可保育所などで、保育園や幼稚園に通っていない未就園児に、定期的保育を提供。利用対象は0~5歳児、区内最大4施設、各園2名まで受け入れ。R5年7月~事業開始予定。

3歳以降や住民税非課税世帯の幼児教育・保育の無償化の対象か。

中野区の回答:  対象事業ではないが保育料相当額、無償としたい。

実施園、利用未就園児家庭のメリット、一時保育との違いは。

中野区の回答:  利用が決定すると、一定期間、定期的に保育を提供。園では、同じ児童を定期的に受け入れることで計画的に保育を実施、経営面も空き定員削減、安定につながると見込む。未就園児家庭では、同じ園に定期的に通うことで、安定して保育を受け、園の利用者や保育士などとつながりができることも期待。

モデル事業実施とのこと。一時保育と棲み分けて、事業意義を利用される方にご理解いただけるよう、今後の事業構築に期待。

(2)一時保育・一時預かりの登録・申請の一元化について

一時保育の拡充は会派からも強く要望。また私は2019年の初質問から、虐待防止や子育てを楽しむ余裕を生み出すため、気軽に使えるようになるまで一時保育の拡充・利便性向上を求め、子育てを社会全体で取り組むことを求めてきた。

施設や事業は増えたが、一時保育は施設型と訪問型、制度や利用対象もそれぞれ異なり、サービスが多岐に渡り複雑化。

どの事業が該当するか利用者側が自分で探し、全て事前登録制、毎年度更新制で、登録先も別、全て利用すると30箇所ほどに登録の必要。さらに、空きは区立保育園専用室型以外は電話などで確認、利用も別途申し込む必要があり、全て利用すると70箇所以上に連絡。使い慣れるまで大変な労力、真に育児レスパイトが必要な方にほど届かない懸念。

事業全体を見通して制度の一元化や、総合的に合わせられるものなど、再構築を。

中野区の回答:  必要とされるサービスを順次拡充、複雑化。すぐに一元化するのは難しい。

HPやR5予算作成の「おひるね」で、対象者や利用方法などを今よりわかりやすく案内を。

中野区の回答:  考えたい。

登録先や申込先の一元化・簡素化は。

中野区の回答:  子どもは成長により短期間で情報が変わることもあるため、全て一元化は難しい。同じ所管課で実施している事業は今後検討。

事業が違うことは理解するが、利用者に関係ない。より利用者視点での使いやすさ改善を要望。

保育園施設型一時保育の空きの見える化について

区立園専用室型にてR5予算でLINE申請が導入、申し込み簡素化と空き状況の見える化を子ども文教委員会で報告あり、評価。

私立園専用室型を同様にできない要因は。

中野区の回答:  園により受付方法や期間など、管理方法が異なる。事務負担を増やすため、難しい。

工夫して実施を。

中野区の回答:  区立園専用室型にLINE予約を導入後、私立園と協議し空き状況の見える化の検討を進める。

児童館における一時預かりの空き状況の見える化は。

中野区の回答:  運営事業者と協議をし、空き状況の見える化の検討を進めたい。

一体的に予約、見える化が進むよう、引き続きの検討を要望。

(3)預けやすい環境整備について

利用者・時間帯・曜日別一覧を作ったところ、就労を条件とした場合に区の一時保育未実施時間帯がある。社会状況の変化や就労形態の多様化。事業者連携型ベビーシッター利用支援事業は、毎週1回夜間就労など継続的利用で可、突発的夜間就労の1日利用では不可。

区として実施時間帯に欠けがあることへの見解は。

中野区の回答:  サービス未実施時間帯は、ファミリー・サポート事業が利用可。

要望してきたファミリー・サポート事業の事業改善は進んでいるか。

中野区の回答:  登録講習会の簡素化やオンライン説明会などの実施により、登録までのハードルを下がった。大学生などの若い世代への周知方法を今後検討。協力会員数は横ばい。

残念ながら、現状ファミリー・サポート事業はボランティアベースで、様々な社会活動の担い手不足の中、急速な拡充は見込めない。

未実施時間帯、一時預かりベビーシッター利用支援事業の対象を未就園児以外へ広げては。

中野区の回答:  就園児は幼児教育・保育の無償化など保育料が軽減。原則保育料に関する負担の軽減がない未就園児対象。経済負担軽減の目的で利用対象者を考えている。

公的な預かり機会は、社会全体で子育てをするため、区が責任を持って多様に用意すべき。その上、ボランティアの延長や地域のつながり作りとして、ファミリー・サポート事業や自主グループの皆様の預かりの場があることが望ましい。

ひとり親家庭についても未実施時間帯。

ひとり親家庭が対象の子育て家庭ホームヘルプサービス、就労で平日・土曜不可の要因は。

中野区の回答:  平日は保育園や幼稚園など利用可。土曜も基本的に保育園など使えるが、就労しているひとり親家庭は、来年度は土曜も対象とする予定で検討を進める。

一時預かりベビーシッター利用支援事業の対象を広げるなど、ひとり親家庭へより手厚い制度改善が必須では。

中野区の回答:  ベビーシッター利用支援事業はR4年10月~開始の事業、3ヶ月分の利用申請を受けたところ。利用要件拡大などサービス利用状況を確認後検討。ひとり親家庭への支援拡充も今後検討。

ひとり親家庭については、預かりの場不足が就労条件を狭め、貧困につながる可能性あり。より時間や金銭面での支援が必要、預かりの場の拡充を強く要望。

一時保育、いまだ予約が取れないとの声。なぜ利用率と利用実態がかけ離れるか。専用室型一時保育の実績について、R4決算特別委員会資料39「一時保育の述べ利用児童数」から区立園。R5予算特別委員会資料31「一時預かりサービス事業一覧及び利用実績」から私立園を取り出し、R3月~金曜日の平日数を246日と仮定して定員をかけ合わせ「利用できる人数の枠」を算出(平日数246日×保育園一時保育定員数=利用できる人数の枠)、R3年度の利用率を出す(利用できる人数の枠÷利用実績人数=利用率)。

区立園は80%ほど・図で赤。私立園は40~60%程度が3箇所・図で緑、他は35%以下・図で黄。児童館における一時預かりは図で青。

利用実績は区立園より私立園1園あたりが少なく、利用率も空いているように見える。・区立園と比べて私立園の一時保育の質が低い・人気ない話は聞かないが、保育内容に差は。

中野区の回答:  一人一人に合わせた対応で、差はない。

子どもの体調は変わりやすいため当日キャンセル分を勘案し、利用率ではなく、予約率で確認。・私立園で、実際の一時保育利用可能日数や実績定員、そこから予約率(実際の一時保育利用可能日×実績定員÷利用実績人数=予約率)は出せるか。

中野区の回答:  利用者数や実施日数は把握しているが、園では予約の子どもの特性などに応じて受け入れ人数調整と聞いており、実績定員や予約率を出すのは難しい。

そもそも私立園では、国の保育園人件費弾力化や配置基準により、人員配置を精一杯工夫している状態のため、保育士欠員の影響大。一時保育のために配置した保育士が流動する可能性は。

中野区の回答:  保育士人員配置は、一時保育も含めて、園全体で調整していると聞いている。

一時保育の補助金は、私立園は一時保育のための保育士配置ではなく、預かり実績での算定か。

中野区の回答:  実際に預かった実績人数に対しての算定。

R4、私立園専用室型一時保育の改善のために預かり人数が多いほど多く補助金を支払う制度へと変更、実績値に変化は。

中野区の回答:  R2以降の実績と比較しても大幅に変わっていない。

私立園専用室型では、その日の人員配置によっては一時保育の予約枠が確保できない状況で、利用率で見ると数字が低くなることを確認。

区立園専用室型一時保育の利用可能日数や実績定員、予約率は出せるか。年度末に向かって予約率は高くなるはず。直近は。

中野区の回答:  R4年4月~R5年2月までの実績、本町保育園延べ761人分・予約率80%。中野保育園述べ787人分・予約率84%。1月・2月時点で95.5%、及び92.4%。

区立園は公立のため、一時保育の保育士確保ができており、予約枠分ほぼすべて実施。さらに、子どもは年間を通じて誕生、保育園専用室型の対象の未就園児は年度末に向けて増、需要拡大。区はこれまで一時保育の需要や判断を、私立園を含めた全体の年間平均利用率で見てきたが、本来需要は、この直近の区立園予約率が示していると考えられる。利用しやすい状態と言えるか。

一時保育を必要とする年齢層について

R5予算特別委員会資料62「令和4年4月における中野区民の教育・保育施設の利用状況」およそ未就園児の75%が0歳、需要が多いと考える。

0歳未就園児の一時保育預け先の現状は。

中野区の回答:  保育園専用室型一時保育事業とベビーシッター利用者支援事業。

0歳は、予約が埋まりがちな保育園専用室型と、訪問型の一時預かりベビーシッター利用支援事業の2つで、1歳以降になると預かり先が増える。

社会状況の変化に加え、R4は区の待機児童0、育休を1年とってから保育園利用のニーズは増と考える。実際に1歳入園の希望は増えているか。

中野区の回答:  保育入園一時申し込み期限の際の状況で比較、R3年716人・1歳人口比率で31.51%。R4年797人・37.23%。増加している。

これまで待機児童が多く0歳児4月入園を競い合っていたが、年度途中1歳入園や育休延長1歳児4月入園の希望が増。これまで今後の保育行政でも待機児童0後の考え方を求めてきたように、行政ニーズの変化は重要な観点。

一時保育で一番需要数が多い年齢層は0歳、さらに今後1歳園利用増傾向の中、0歳一時保育の預け先充実を検討しては。

中野区の回答:  R3実績では、利用実績の約3倍の利用数を確保。年齢別に利用枠を定めていないため、数はある。ベビーシッター利用支援事業も開始したばかり、成果を見ながら今後検討。

一時保育は、虐待に至る前のレスパイトの役割も担い、子どもの虐待死の半数近くは0歳。さらなる多様な預け先の拡充を、引き続き要望。

これまでも多くの子育て世帯から寄せられた声から、体感的預かり先不足を感じ、児童館など区有施設で預かる一時保育を拡充すべきと申し上げてきた。

区はこれまで利用率が低いから預け先はあるとしてきたが、本日は実績と利用率ではなく、予約率にて本来需要を推測、一時保育の不足を指摘した。

私立園専用室型の開設場所の増は実績に影響するが、国の保育制度が改善しない以上、今よりも予約枠の確保は難しい。その視点で図を見ると、利用率が低い私立園は、実態として予約枠が少なく、預かり先に地域偏在があるとも見受けられる。

議会から保育園欠員利用型のさらなる活用の指摘もあったが、1歳入園の需要増により年度途中入園で定員が埋まっていくため、年度末に向けて欠員利用型の定員確保は見込めない。

先ほど施設型で当日利用できるとされる区立園専用室型は予約いっぱいであることを確認。

区が主体的に実施する一時保育で確定的に当日利用枠があるのは、児童館における一時預かりだけ。保育園専用室型と比較して児童館における一時預かりは一人当たりの費用対効果が低いから事業継続再検討をという指摘も一部あるが、当日空きを確保しておく保険的な役割を担えば、枠を空けるために割高であることは必須、子育て家庭・子どもたちの命を守るための必要経費だ。

容易に保育園専用室型が拡充できない中、需要ある0歳児預かりや地域偏在解消のため、児童館における一時預かりなど、区有施設での一時保育実施を拡充して制度の穴を埋めるべき。

一時保育が預けにくいという認識に持って、児童館における一時預かりの拡充を含めて一時保育事業全体を構築していくべき。

中野区の回答:  事業全体の再構築は、R7子ども総合計画を改定する予定で、R6に改定に向けた準備。一時預かり事業の関係各課によるPTを設け、総合的に検討。

3.ひとり親家庭支援の拡充について

(1)実質ひとり親家庭への支援について

R3予算特別委員会で、配偶者と別居している離婚前の状態の方“プレひとり親”や“プレシングル”について、別れを決意してから離婚が成立するまでにある程度の期間が必要であることが多く、長期化した場合にひとり親家庭と同じ状態でも支援が受けられない課題を指摘。

「離婚調停中での実質ひとり親家庭への金銭給付」(令和5年度当初予算(案)の概要p42)(予算説明書補助資料p185)は23区初、本当に素晴らしい。

詳細は。

中野区の回答:  児童扶養手当は原則、離婚してから申請のため、離婚調停中など実質ひとり親となった家庭に、18歳までの対象児童1人につき10万円給付を考えている。所得制限や同居者の状況などの要件を設け、申請制、区が審査を行う。

案内は。

中野区の回答:  子ども総合窓口、子ども・若者支援センター、各すこやか支援センター及び生活援護課の窓口にチラシを置くほか、各関係機関や区HPで周知。児童手当受給者が離婚調停中で受給者変更申立書を提出の際、ひとり親について相談を受けた際など、離婚調停中を把握できた場合なども案内。

他にも、NPOに情報提供したり、関連窓口などでの周知も要望。

保育園入園で、実質ひとり親家庭はひとり親家庭と同様に扱われてる。しかし、保育料の算定根拠は、両親の区民税所得割額を元に決定。実質ひとり親家庭は、主に婚姻関係がこじれ、養育費をその時点からもらえているとは考えにくく、金銭的困難な状態の可能性もあり。

保育料も、これを機に見直しては。

中野区の回答:  ひとり親家庭と同様の取り扱いを検討。

実質ひとり親家庭は支援の間。区は「実質ひとり親家庭もひとり親家庭と同等とみなす」という姿勢を本事業をもって示したと捉え、実施しているすべて事業で同様に取り扱うべき。

中野区の回答:  各課で必要な支援を行っているが、法定事業は別に、区で対象者を定め実施のサービスなど、同様の扱いができるか検討。働きかけたい。

区長の決意は。

中野区の回答:  実質ひとり親家庭への金銭給付、支援を要するが、行政サービスの対象にできなかった家庭へ、区が状況確認を行うことで支援を可能とする。誰ひとり取り残さない地域の実現を目指す区にとっても意義ある事業。本事業を契機とし、実質ひとり親家庭をさまざま行政サービスの対象とし、区の相談窓口につながげ、継続的支援も可能と考える。全庁的に取り組みを進めていく。

(2)養育費確保支援事業について

養育費確保事業(予算説明書補助資料p187)、R4「公正証書等作成」に引き続き、R5「ADR利用支援」追加。会派要望し予算がついたこと評価と感謝。

厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」母子家庭で父親から養育費を受け取っている割合24.3%。およそ4人に1人。養育費が確保できないことは、貧困の大きな要因。

ADR事業詳細は。

中野区の回答:  裁判外紛争解決手続きとも呼ばれ、裁判によらず公正中立な第三者が当事者間に入り、話し合いを通じて法的なトラブルを解決する手続き。

R5より、養育費取り決めの際、弁護士会、または法務大臣の認証を受けた認証ADR事業者利用の場合、かかった費用の一部補助予定。申込料や依頼料に相当する費用及び1回目の調停期日にかかる費用を想定。公正証書にまで至らない、話し合いをするためのもの。

R4現時点までの公正証書等作成の実績は。

中野区の回答:  R4年8月~実施、3件女性。

きっかけに窓口相談につながったか。

中野区の回答:  相談に来られた方にひとり親支援の情報提供、窓口相談に来た方へ事業紹介などつながった。

養育費確保事業が呼び水になる可能性があるため事業実施を求めてきた。大いに歓迎。・区長記者会見資料予算より「ひとり親家庭相談支援員の配置」詳細は。

中野区の回答:  R5年4月から、ひとり親家庭相談員として、時間外や土曜日の対応、相談業務を担当する職員への研修などを実施のほか、関係団体と連携など、相談業務の充実を図る。社会福祉士や公認心理士などの資格を持つ職員2名配置。

「ひとり親家庭支援のしおり作成」(予算説明書補助資料p187)

ひとり親家庭は自ら情報をとりにいく時間的余裕もなく、情報の整理と発信強化は、支援接続のために重要。

区ではR5LINE運用支援ツール導入を進める予定。さらに活用して、ひとり親家庭支援情報が届く仕組みを検討しては。

中野区の回答:  運用状況などを踏まえつつ、ひとり親家庭への支援情報をLINE活用してセグメント配信など検討したい。

ひとり親家庭に必要な情報が届いて、相談や支援に接続され、広がってNPOも含めて大きなつながりを持ち、新たな支援の構築に繋げていけるよう要望。

最後に、子育て支援課の中の子ども・子育て支援に、ひとり親家庭支援に加え、学習支援や子ども食堂事業が移動(予算説明書補助資料p187)。

理由は。

中野区の回答:  ひとり親家庭は生活に困窮する世帯の割合が多く、子どもの貧困対策と合わせて取り組むことが効果的。一体的に取り組むため。

会派からも強く要望し実現「中野区子どもと子育て家庭の実態調査」以降、就学援助の認定基準を見直すなど子どもの貧困対策に取り組み、R5予算は体制強化と学習支援拡充など、前進した区の姿勢を大いに評価。

子どもの貧困対策を横断的に取り組む中、今後の区の方針は。

中野区の回答:  生活に困難を抱える子どもと子育て家庭を必要な支援に繋げられるよう、新たに配置する子どもソーシャルワーカーによる関係団体や関係機関等との連携体制構築など、一層強化に努める。

必要な支援を構築して、誰1人取り残さない中野区を目指して、区全体で力強く取り組みを。

R5予算、会派要望による実施事業が多くあった。公が実施すべき必要事業は、公が予算をかけて行うべきという視点で、予算要望してきた。

区民視点で提案した多くの事業を実施していただくことに感謝。