中野&区議会報告

2024年2月27-28日、河合りな予算総括質疑「インクルーシブ教育について」「避難をためらわせない避難所運営について」「動物との共生社会について」令和6年度・第1回定例会

令和6年第1回定例会、予算特別委員会にて総括質疑いたしました。

毎年2月の定例会では、来年度(R6年度)の予算が「適正か?妥当か?」を審査するため、全議員出席の予算特別委員会が設置されます。

文字数省略したので、詳細や正確な質疑は中野区議会議事録をご確認いただき、疑問等は直接気軽にお問い合わせください。
SNS等で断りなくHP文章の一部を切り取る行為はご遠慮ください。

目次(当日の進行順)

3.インクルーシブ教育について
 (1)医療的ケア児への対応について
 (2)合理的配慮について
1.令和6年度予算(案)について
2.避難をためらわせない避難所運営について
 (1)トイレ確保・管理計画について
 (2)要配慮者への対応について
 (3)消防団について
4.動物との共生社会について

3.インクルーシブ教育について

近年23区では目新しい政策を次々と生み出しているが、自治体間の競い合いの傾向。一番住民に近い基礎自治体が、国や都の支援の網の目を細かくすることを優先して欲しい。

本予算では強く会派で要望してきたひとり親家庭や不登校児童生徒などの支援拡充を大いに評価。私は、社会的に弱い立場の方に寄り添い、中野区に暮らす全ての子どもとその保護者が困り感なく過ごせることこそが「真の子育て先進区」であると考える。

(1)医療的ケア児への対応について

2年前R4年度の予算特別委員会で学校現場や学童への医療的ケア児受け入れを質疑、支援を求めてきた。今回多く関連予算がついたことは感慨深い。

全国の医療的ケア児は推定約2万人で増加傾向、R3年6月「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が可決、保育園や学校などの設置者には、適切なケアを行える看護師らの配置など「必要な措置」を講じるよう求められ、自治体においては努力義務から責務に変わったが、最終的に自治体判断。

健康福祉部の医療的ケア児予算の概要、各補助金見込みは?

中野区の回答:  医療的ケア時に対する移動支援の拡充と医療的ケア児等支援地域協議会運営は、補助金が国から1/2と都から1/4、重度・重複障害児通所施設の運営、重症心身障害児施設医療的ケア事業実施補助など都から3/4。

都立特別支援学校通学バスの移動支援について、内容は厚生委員会「移動支援サービス事業の拡充(通学等支援)の考え方について」にて会派中村議員から詳細質疑。

ガイドヘルパー利用金額の算定方法は?

本事業は通学バスを利用している医療的ケア児に同乗看護師が必要でも都が確保できないため、中野区がガイドヘルパー利用を支援する。

中野区の回答:  来年度通学予定の医療的ケア児を対象とし、現在の通学バス利用者の保護者の同乗率からR6年度に利用する回数を見込んだ。ヘルパーの単価は移動支援事業で身体介護がある場合の単価。

区の負担について、東京都に訴えを。

本来的には東京都が同乗看護師の数を確保すべき。

中野区の回答:  基本的には東京都で対応してほしい、要望していく。

学校や学童や通所など、総合的な医療的ケア児支援体制はできているか?

中野区の回答: 相談窓口はすこやか福祉センター。利用調整は、医療的ケア児コーディネーター養成講座を修了した職員がいる相談支援事業所等が対応。ライフステージを通じて継続的に相談支援を行うと共に、個別課題に応じて関係機関等がケース会議など、トータル支援。

今後「医療的ケア児等支援地域協議会」で残る課題は議論されるか?

本予算で小学校期の課題は一定解消しても、まだ卒業後の居場所など課題は残る。

中野区の回答: 保健・医療・障害福祉・保育・教育など各関連分野の支援が受けられるよう関係者が連携を図る協議や、課題の抽出及び実態把握の検討の場である。課題は認識、継続的に検討していく。

中野区はこれまで、障がい児が通う学校に個別バリアフリー改修工事等で対応してきたが、医療的ケア児にはさらに看護師の配置や場所が必要となる場合があり、基礎自治体の課題となる。

学校に係る医療的ケア児予算概要、補助金見込みは?

中野区の回答: 1005万円のうち、国の教育支援体制整備事業費、切れ目のない支援体制整備充実事業として対 象費用の1/3相当の320万8000円を歳入として計上。

医療的ケア児を対応する際の学校施設改修の補助金見込みは?

中野区の回答: 情報はない。

これまで障害児を対応する際の学校施設改修の補助金見込みは?

中野区の回答: 学校施設バリアフリー化工事に関する国と都の補助金はあるが、児童・生徒の障害は様々。個別対応で実施する改修工事も多岐にわたるが、それらの補助金はない。

保育園に通う対象の子どもたちの進学や引っ越しによる改修もありえる。これまで、対応の検討を要望してきた。

入学までの相談対応などスキームは? 学童も一緒に確認か?

中野区の回答: R5年度に改めて「修学相談で医療的ケア相談も実施」と見直した。申込後に面談、必要に応じて保育園・幼稚園での医療的ケア実施状況把握等を行い、申請いただいて実施決定の流れ。医師や関係者で医療的ケア児支援検討委員会を開催し、必要な支援検討を行う。看護師配置希望の場合、学校と学童でそれぞれ申請は必要だが、対象児童が同じ場合、状況や支援方法は各機関で情報共有して一緒に確認する。

申し込んですぐ対応という状況は難しいが、丁寧にやっていることを確認。

学校現場の先生方の理解浸透・不安解消が必要では?

中野区の回答: 詳細確認のため、保護者・看護師・学校・教育委員会・すこやか福祉センター等の関係者が集まり、関係者会議を実施。受け入れ学校でも、養護教諭や特別支援コーディネーター等が中心となり、校内支援のあり方研修を行う予定。

今後、この経験を区内学校全体へ共有しては?

中野区の回答: 小・中学校長会、養護教諭向けの研修、特別支援コーディネーター連絡会等で情報共有。今後さらに、支援状況や配慮すべき点について共有を図る。

共に学校で過ごす子どもたちへの共有は?

中野区の回答: 児童館・生徒と保護者の意向を踏まえ、一緒に過ごす児童・生徒、保護者へどのように伝えていくかを相談して対応したい。

特別支援が必要な子どもたちが学校に共にいることが特別でなくなってほしい。そのような観点で、共有し考えてほしい。

先行した保育現場での経験や課題など、共有は?

中野区では先んじて保育現場で医療的ケア児を受け入れてきた。

中野区の回答: これまでも情報共有をしており、今後も連携。

これまで医療的ケア児の就労保護者は、放課後デイサービスを各自で組み合わせる等、放課後の居場所確保に苦労しており、学童クラブ利用等を会派からも強く求めてきた。

学童クラブでの医療的ケア児の預かりが始まることを評価する。

学童クラブでの医療的ケア児予算概要、補助金見込みは?

中野区の回答: 看護師の配置に1459万2000円ほどを計上。補助金として、国及び都の子ども・子育て支援交付金における放課後児童健全事業の補助として、1/3となる337万2000円ほどを歳入として計上。

都立特別支援学校などに通う子どもの学童クラブ希望も、対象なら受け入れ可能か?

中野区の回答: 通常の学童クラブ要件に加え、主治医の意見書提出をお願いしている。通学する学校に関わらず、利用要件を満たし対応できる状況であれば、受け入れ体制を整えていく。

学童クラブのスペースに余裕がない場合、どう対応するか?

医療的ケアの種類によって、ケアの場所が必要となる。

中野区の回答: 併設するキッズ・プラザや児童館の活用、学校との連携も行いながら、必要スペースを確保。

学童クラブの先生方の理解浸透、不安解消は?

中野区の回答: 対応に詳しい医師による研修会を学童クラブの所長やリーダーと民間学童の施設長などを対象に実施。看護師の適正配置も進め、医療的ケア児支援検討会議で定期的に医師の助言をいただき、職員不安を解消し、安全運営に努める。

中野区立保育園で、学校現場に先駆けて医療的ケア児を受け入れてきたことは評価しているが、受け入れ可能な医療的ケアは3つ。

実際、人的予算面だけではなく、区立保育施設が古いため場所確保が必要な医療的ケアを実施できず、課題であることは区も把握、会派としても医療的ケアの範囲の拡大を求めてきた。(区立保育園の建替整備の考え方(案)について(2)医療的ケア児への対応について

検討状況は?

中野区の回答: 今年度から子どもの年齢や病状等で受け入れを判断することに。実績はないが、保護者の相談があった場合、受け入れ園とも相談の上、できる限り受け入れを検討したい。

今後の受け入れ場所の拡大予定は?

中野区の回答: 今年度から民間施設に対する医療的ケア児の受け入れ支援研修を開催、保育施設職員の医療的ケア児に対する理解を進めている。特定園だけが受け入れるのではなく、お子さんの状況や保護者の希望、医師の意見などを総合的に判断、個別に保育施設と相談の上、受け入れできるようにしたい。また今後区立園の建替整備の際、医療的ケアに対応できるよう整備したい。

医療的ケア児を支援する法律はできたが、国や都からの補助金は一部であり、支援実施には区の財政負担が必要。

本予算で支援を拡充した酒井区政の判断を大いに評価する。

(2)合理的配慮について

都予算「インクルーシブ教育システム体制の整備」が報道された。

特別支援学校への就学が適当と判定された児童・生徒が、より身近な区市町村立小中学校に就学した場合等、日常生活上の介助や学習支援を行う「インクルーシブ教育支援員」の配置を支援とのこと、大いに歓迎。

インクルーシブ教育について今定例会会派細野議員の一般質問質疑にて、中野区教育長は「可能な限り一緒に教育を受けられる学びの場の整備」と答弁。

推進の課題と、区の見解は?

中野区の回答: 社会の理解や職員の障害への専門性、環境整備など、インクルーシブ教育はまだシステムが確立されておらず、課題も多い。子どもたちが学校で充実した時間を過ごし、一人ひとりにあった教育を受けられる仕組みを整える。

これからの学校現場は医療的ケア児がいることも当たり前になる。

合理的配慮の理解促進が必要。

今の取り組みは?

中野区の回答: 子どもや保護者の思いを受け止め、幼児・児童・生徒の特性や個々の障害に応じて対応。

中野区の障害平等研修は、障害者が共に参加。当事者意識の共有など、職員や区民向けの実施内容が充実している。

学校現場でも研修に導入しては?

中野区の回答: これまで中野特別支援学校等と連携をして実施。様々な事例等を参考に計画する。

学校だけではない合理的配慮の浸透が必要では?

他区では合理的配慮の提供事例集などを作成、学校や保護者関係者の理解促進を重視している。

中野区の回答: 事例集は作成中で、完成した際には学校や保護者、区民に広く周知する。

ぜひとも中野区内で、どんな子も共に学び過ごせる環境が当たり前になることを要望。

1.令和6年度当初予算(案)について

私は本予算を、課題は残るものの数字上では一定問題なく、財政状況からもPDCAを回しながら引き続き困難を抱える方々に向けて積極的な運営が求められるものと考える。

それには政策を進める区職員が重要で、区を支える人の予算、人件費について詳細を伺う

当初予算(案)の概要 p15「人件費は、退職手当等が増加したため」と記載。

上記記載「等」を含めて増加の要因、詳細は?

中野区の回答: 職員は、定年引き上げに伴い来年度定年退職による退職手当が20億円余の増と昇給による2億円余の増、会計年度任用職員は配置数増により3億円余と勤勉手当支給による2億円余と給与改定による2億円余の増。

会計予算説明書p118より、職員数は増加したが給料は減少とのこと。

給料減少の要因は?

中野区の回答: 職員の年齢構成の変化による新陳代謝等により3億円余の減。

予算の概要p26より、財政フレームでは2年ごとの退職金を勘案しても減少傾向とのこと。新陳代謝が続くのか?

中野区の回答: R14年度頃まで続く見込み。

会計予算説明書p118より、全体給与は減少だが時間外勤務手当は増加。要因は一時的なものか?

中野区の回答: 新庁舎移転や都知事選挙や都議会議議員補欠選挙執行が主な増要因。来年度に限定と認識。

予特資料総務67「超過勤務手当の支給実績(前年度までの4年間) 」。遡ると、10年前平成後期と比べ、時間外勤務手当は増加傾向。

残業や業務量も増加しているのでは?

中野区の回答: R2~4年度にかけ新型コロナ感染症対策の防疫業務やワクチン接種業務、R4年度に児童相談所開設や前年度まで設置準備と、例年にない業務が増要因。

私の第4回定例会一般質問で、職員の適正数を質疑。

会計年度任用職員数を職員数で割返すと38.1%、23区中下から3番目。職員1人当たり人口は164人と23区中下から8番目。職員と会計年度任用職員の両方の人数割合が少ないのは、23区中、中野区を含む2区であり、会計年度職員の職員に対する割合を職員数の検討材料にすべきと指摘。

では本予算の会計年度職員について。

予特資料総務60「所属別総職員数」を見ると、会計年度職員数は、年度を追って増加の傾向。

増加の要因は?

中野区の回答: 職員の産休や6ヶ月未満の育児休業、休職者の代替、会計年度専門職の新規設置などが増要因。現時点では、今後も増傾向が続くと見込んでいる。

増加傾向はいつまで続く予測か?

中野区の回答: R6年度は配置数増だが、増傾向がいつまで続くかは難しい。職員定数管理計画上では、会計年度任用職員は常勤職員を補佐する職との性質を踏まえ、適切な管理と活用を行う。その上で、業務繁忙期や緊急事案への対応に応じての会計年度任用職員を採用は、区政運営において必要な人的資源活用に係る手段の一つである。

職員がすべき仕事のために業務を切り出し会計年度職員の柔軟活用を求めてきたが、超過勤務手当と会計年度職員両方が増加傾向、業務量の増加も懸念。

職員不足の声もきく。ワークライフバランスが変化し、社会的に産休・育休なども増えている。

決算資料総務74「区職員の産休・育休の取得状況(男女別)(前年度までの4年間) 育児休業」を見ると、男性育休は特に増加傾向。

また同総務81「給与支給率別病気休暇・休職の職員数(各年度末現在、前年度までの5年間) 」を見ると、休職は一定数。

総務委員会報告「中野区定数管理計画に係る進捗状況について」を見ると、休職や育児休業等の職員は定数条例除外職員数で扱われており、R5で131人。

年度を追って増加傾向。現在の代替対応は?

中野区の回答: 6ヶ月以上の育児休業を取得する職員代替は、育児休業代替任期付職員を配置し対応。それ以外の育児休業や産休、休職の代替は会計年度任用職員を配置。

採用年度の定数条例除外職員数、見込み人数の出し方は?

中野区の回答: 今年度は131名、R6・7年度の2年はほぼ同数見込み。R8~R13年度で児童相談所への研修派遣受け入れが終了見込みであることから、121人を想定。今後も育児休業取得者が増傾向であれば、見直していく。

区政課題対応には、根幹となりマネジメントをする側の職員体制が強固であるべき。

育児休業代替任期付職員等が職員代替だが、職員採用数や配置を考えていくべきでは?

中野区の回答: 今後も定数除外職員数も勘案し、職員採用や適正な職員配置を行なう。

財政フレーム上では人件費は大きく上昇しない。

業務量増から将来的な定数を勘案するとともに、直近では定数条例除外職員数を不確定な予測値含め確保してほしい。

採用数増を検討しては?

中野区の回答: 基本計画の人的資源の投資は、社会変化による新たな行政ニーズ等に対応していくとともに、DXを原動力とした業務の変革により、人事・組織の合理化を図りながら、適切な職員数を確保して、安定した区民サービスの提供と持続可能な行財政運営の実現を図る。

本当に今の定数・職員採用数で良いのか、議論の余地は残る

引き続き様々な指標をもとに検討を要望。

2.避難をためらわせない避難所運営について

東京都で震災の場合、当然被害は中野区内に限らず、23区全体と広域になり、速やかな支援に辿り着かない可能性がある。

能登半島地震では改めてさまざま課題が明らかになり、都は急きょ予算を見直した。区では地域防災計画の改定を進めているが、さらなる課題の再検討が必要。

選択肢として在宅避難は一般的になったが、発災時に自らの命を守るため、必要とあらばいかにためらわせず避難行動ができるかは重要。

さらなる避難所の充実、仕組みなどを検討すべき。

(1)トイレ確保・管理計画について

能登半島地震ではトイレが大きな課題、被災地でトイレ不足や劣悪な環境。排泄は我慢ができず、回数を減らすために飲食を控えると、エコノミークラス症候群につなが、不衛生なトイレは感染症の温床、犯罪の誘発になるなど問題となる。

都も来年度予算で「災害時におけるトイレ環境向上策の策定」を区市町村と連携し定める。

NPO法人トイレ研究所・代表理事加藤篤さんの「トイレから始める防災ハンドブック」で「在宅避難の43.8%が避難所や公衆トイレを利用」と記載。避難所の避難者数ではなく、区内全域でトイレ数確保が必要。

江戸川区は「災害(震災)時トイレ確保・管理計画」作成。災害時のトイレ状況と必要数量、トイレがある施設の配置バランス、今後のトイレ整備と確保方針など充実の計画。

過去、会派からもトイレ確保・管理計画を要望、「検討」と答弁あったが進んでいない。能登ではトイレトレーラーという取り組みも注目。

トイレ空白地域のトレーラー等の活用を含め、トイレ確保・管理計画の検討優先順位を上げては?

中野区の回答: 重要な課題と認識。計画策定について検討していく。

(2)要配慮者への対応について

能登半島地震で被災した家の離れで暮らす自閉症の子がいる家庭の報道。例えば障害、認知症、乳幼児など、要配慮者対応を充実しても、周りに迷惑をかけるからと避難所へ行くことをためらう方々が一定いる。

東日本大震災では発達障害のある子の保護者の26.2%が車中泊で過ごした。障害児者の中には環境変化に弱く、安心して過ごせる場所が必要。

福祉避難所、母子避難所の早期開設への検討は進んでいるか?

中野区の回答: 区有施設等の一部の二次避難所について、早期開設の判断をする。母子避難所は引き続き適切な場所を探す。

大人たちが避難所を運営する中で、子どもの居場所は?

中野区の回答: 配慮を必要とする高齢者や障害者、乳幼児など、状況に応じて避難スペースを確保する。

避難所にきたらできる限り別部屋に案内するなどの個別配慮の記載充実が必要では?

避難所運営マニュアルでは高齢者から乳幼児まで要配慮者と一括り、個別配慮を。

中野区の回答: 施設利用や物資の優先配布等を記載し、避難所運営会議等で、防災会役員の方々と共有。個別配慮に関する記載についても共有していく。

墨田区は福祉避難所以外の選択肢として、Airbnb Japan株式会社(エアビー)と要配慮者避難場所に民泊施設活用を目的の「災害時における民泊施設提供の協力に関する協定」を締結。

ホテル避難なども含め、要配慮者への多様な避難場所確保を検討しては?

中野区の回答: 避難所不足の場合や避難長期化が見込まれる場合、特別な配慮を必要とする方に多様な避難場所を確保することは必要。他自治体の事例を参考に研究する。

発災時に用意されていることが、避難をためらわないために大事。目指してほしい。

妊産婦は要配慮者であり、会派から個別避難計画の対象にするなど、対策強化を求めてきた。厚生労働省はR2台風14号の際「災害時の母子保健対策に関するマニュアル等について」を情報提供。

掲載された「災害時妊産婦情報共有マニュアル」は発災後、避難所にて妊産婦の状況確認、保健師と医療救護班に接続。

妊産婦の避難について、区の対応は?

中野区の回答: 避難所受付内容を確認し、区保健所の巡回や助産師会との協定に基づき、区の指定施設を巡回、妊産婦等へ保健指導と心身ケアを実施、相談に応じる。状況に応じて、二次避難所への搬送や医療救護隊の医師の助産救護として産科等への搬送調整なども対応する。

発災後の状況把握が必要では?

妊産婦の情報は区としてすこやか福祉センターで把握。被災後支援は助産師会と協定を結んでいる。

中野区の回答: 課題と認識。妊産婦を含めた要支援者の多様な状況を正確かつ容易に把握する新たな技術など、先進事例を参考に研究。

今定例会の会派細野議員の一般質問「災害対応力を強化する女性の視点~男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン~」質疑にて「ガイドラインをマニュアルに盛り込む」、間議員の乳幼児を守る取り組みについての質疑にて「意識共有等先進事例の情報収集に努め避難所運営に反映」と答弁。

このガイドラインには授乳アセスメントシートと共に「災害時には、より一層、母親の意思を尊重し、不安や悩みをはき出しやすい環境を作っていくことで、 母親の回復に繋がり、最も脆弱である乳児の支援に繋げていくことが重要」と記載。

液体や備蓄ミルクがあることで勘違いされがちだが、母乳中の免疫物質は、災害時、医療体制が脆弱になりすぐに病院に行けない可能性も高くなる場合や、避難所等で密になり、心配となる感染症から赤ちゃんを守ってくれるものとなるため、災害時の乳幼児栄養の国際的なガイドラインであるOG-IFEでは、母乳をあげたいと思っている方が母乳育児を続けられるよう支援を重視。

また、母乳の方は備蓄ミルクを消費しないため、より必要な方に行き渡る。

ガイドラインの授乳アセスメントシート、パンフレットの活用を検討しては?

中野区の回答: 検討する。

被災後、中長期的に多角的な区の復興をどう取り組むか重要。

地域防災計画の中に復興計画はあるが、生活復興のための具体的記載は職員資料「職員のための中野区震災復興マニュアル」

しかし、渋谷・墨田区など地域防災計画と別に「震災復興マニュアル」を準備中長期的な生活再建、教育、心のケア、文化財などの項目を定めている。新しい情報も増えている。

職員のための復興マニュアルは更新しているか?

中野区の回答: H16.3に作成後、更新していない。その後に発生した大規模災害の事例も鑑みて更新する。

区として各関係部署や区民等関係者と協議し、職員向けだけではない区独自の復興マニュアルの作成、または復興計画の充実が必要では?

中野区の回答: 区民を対象としたパンフレットはH22.3に作成。簡易なので、防災関係団体等と協議し研究。

他区では学校現場などと共に、復興マニュアルを取り組んだ。関係者だけでなく、一般区民の方、学校現場など、一緒に作っていくことが重要。ぜひ取り組んでいただきたい。

避難の長期化で、避難所となる学校への影響も懸念。

子どもの対応は、避難所でも後回しにされがち。

H23東日本大震災以降、子どもの心のケアが後年にわたって現れることが注目され、H28被災した熊本県教員委員会は「大規模災害発生時における学校再開と心のケアハンドブック」を作成。今回被災の富山・石川県教育委員会へ贈ったことが報道された。

子どもの心のケアの視点で、熊本のハンドブックを活用しては?

中野区の回答: 重要な課題。情報収取に努め、活用を検討。

近年の災害で、避難所や復興時、新しい形の支援が増えてきた印象。例えばキャッシュフォーワークという被災地にて復旧など賃金を支払い被災者を一時的雇用の仕組みや、NPOによる子どもの居場所づくりなど、通常の支援ボランティアとは少し違う動き。今後事前協定がなくても新しい支援の形の受け入れが必要。

中野区は、協定外NPO等の受援計画をどう記載しているか?

熊本県「災害時等におけるNPO等のボランティア団体との連携・協力に関する協定」全国初の取り組み。参考にしては。

中野区の回答: 他自治体の事例も参考にしながら、受援計画への反映を検討。

熊本県が被災後「熊本地震の発災4か月以降の復旧・復興の取組に関する検証報告書(平成30年3月27日公表)」作成、発災直後からフェーズに分けて記載。

常に新しい災害の知識や検証を得て、区の防災に活かすべき。検討しては?

中野区の回答: 社会環境が変化する中、新たに顕在化した課題や検証を防災対策に活かすことは重要。過去の大規模災害の報告書の情報収集に努める。

(3)消防団について

消防団は、被災初期の消火・救助活動が地域防災計画にも位置付け。大規模災害となれば広域で活動する消防署員はすぐに駆けつけられない懸念がある中、地域の中で活動する消防団は大変重要な役割を担う。

平時においては防火指導や訓練、広報の活動の実施。私も消防団の一員として応急手当普及員の資格を持ち、AEDの使い方などを指導。

なるべく早い心肺蘇生が1ヶ月後生存率及び社会復帰率につながる中、本予算「区内コンビニエンスストアへのAED設置」は公共施設と違い24時間使えることとなり評価。

しかし今も残念ながら消防団員は欠員、担い手不足。区でも積極的に協力できる部分は協力すべき。過去にはR2.12.5なかの区報、表紙は消防署員、防災の特集の中に消防団員の募集を掲載。

機運が高まる中で区報で特集号を作るなど、消防団募集広報の強化、区でもできる限り協力を。

中野区の回答: 充足率78.9%、区報けの掲載など工夫する。

4.動物との共生社会について

昨今、人命や地域環境に大きく影響を与えることが明らか。

能登半島地震、NPO法人日本レスキュー協会の本地震調査によると、ペットを飼育している方の約半数が車中泊や在宅避難を選択。2月、狂犬病予防接種を受けず噛みついた犬の報道。

日本における狂犬病ワクチンの接種率は年々低下、登録頭数の7割程度。前回定例会の一般質問でも取り上げた多頭飼育崩壊、社会課題。

困っているのは地域の方々。区の動物行政はもっと力を入れるべき。

飼い主のいない猫対策事業の地域猫推進委員の状況、今後の進展は?

中野区の回答: R5年度から「中野区飼い主のいない猫対策ガイドライン」を守り、飼い主のいない猫を地域猫とし適正管理に努め、地域の環境改善に向け活動ができる方を地域猫共生推進員と認定し開始。意見を踏まえ、活動しやすい事業になるよう努める。

始めて1年、2月に意見交換と聞いた。

予算に反映できるタイミングで聞かなければ、本予算に反映できない。次回はぜひ、間に合うタイミングで活かしていただきたい。

動物愛護の取り組み、区として今後の対策は?

中野区の回答: 関係部署、関係機関と連携を深め、他自治体の事例を参考に取り組みを進める。

関係機関とは誰を指すか?

中野区の回答: 東京都動物愛護推進委員、東京都獣医師会中野支部等。

中野区民も参加して、対策を進めていただきたい。

動物愛護の取り組み、新宿区「人と猫との調和の取れたまちづくり連絡協議会」世田谷区「人と動物との調和の取れた共生推進プラン」、どちらも多頭飼育崩壊の対応ではボランティア団体の負荷が高いことが課題。

中野区でも個別部分的事業展開ではなく、人の命と地域環境を守る視点で、動物行政について大きな考え方、課題整理が必要。

中野区の見解は?

中野区の回答: 今後も関係部署、関係機関と連携し、他自治体の事例などを参考に課題を整理し、効果的な事業展開を行なっていく。

関係者内の共通認識と議論や課題整理ができる会議体を、R7年度予算までに検討すべき。

中野区の回答: 地域猫共生推進員制度を立ち上げ、意見交換を行なった。愛護動物の適正飼養・終生飼養の普及啓発に関し、区関係部署や関係機関とは各種会議で情報共有。関係者が共通認識の下に議論できる効果的・効率的な方法を、関係部署や関係機関から情報収集し、検討。

酒井区政は「中野区人材育成基本方針」にて

  • 「前例に捕らわれず、自ら主体的・自律的にスピード重視で取り組む」
  • 「地域に飛び出して、多様な人々と積極的に関わり、信頼関係を築く」
  • 「多様な地域の人材をコーディネートして、地域の課題を解決する」

など目指すべき職員の姿を示した。ぜひ、保健所にも、動物行政において積極的に中野区民との協働を強く要望する。