お知らせ

「発達障がいのある子どもと家族のストレスマネジメント」講演会に参加しました。

中野区発達支援啓発事業区民講演会 第2回「発達障がいのある子どもと家族のストレスマネジメント」に参加しました。私自身、子育てに多少つらさを感じており、ストレスマネジメントが役に立つと良いなぁという想いもありました。 

講師はNPO法人えじそんくらぶ代表の高山恵子さん。自身もADHD、ASDの当事者だそうです。 

「同じであること」に重点を置く日本の教育、高山さん自身も合わず苦労され、今もアンバランスのある人たちは苦労しているということでした。 そのため、小さいうちに気をつけておくと楽、見つけていないと後々本人も家族も辛い思いをすることがあるそうです。 

発達障がいとは 

  • 発達にアンバランスがあり、自分の努力だけでは改善しにくい生物学的な特性を持つ
  • 日常生活での支障(適応障がいやストレスら親子・対人関係のトラブルなど)があること

自分や家族にアンバランスが当てはまっても、日常生活にトラブルが起きていなければ、問題ありません。 

アンバランスは日本の社会生活において許されにくく、親の感じるプレッシャーが虐待につながってしまうことも。 
アンバランスを受け入れてそのまま育て、生活していくことが重要です。 

パステルゾーン 

診断名がつくほどではない、コミュニケーションが難しい、ちょっとしたアンバランスを「パステルゾーン」と呼んでいます。 

一目で分かるほどの障がいはないけれど生きづらさのある「パステルゾーン」には、現在サポートがありません。 親のしつけや教育者の指導の責任とされることもあり、本人や家族など周囲のつらさの原因となります。 

ストレスを減らすポイントは、特性の理解と受容。無理をしないで、いい意味で諦めることです。 人と同じを目指すのではなく、それぞれが幸せであることを目指しましょう。

親のストレス 

次に、発達障がいやパステルゾーンの様子が具体的に説明されました。 

「同じ失敗を繰り返す」「切り替えが悪い」など、およそ発達障がいではないものの育てにくいとされる子どもの多くがパステルゾーンに入っているそうです。 サポートがないため、頑張りすぎて鬱になる人も多いとのこと。 

年齢に関係なく、アンバランスを認めることが大切です。 特性を理解して、日常生活を工夫して、人と同じように覚えよう・頑張ろうとしないこと。 特に母親は自分を責めがちなので、できないことがあることはダメな子ではないと思ってください。 

苦手なことのSOSを求められる子に育てることが大事。まずは親が助けてあげること。自分の特性を理解させ、嫌なことを口で説明して、助けてもらう経験を積ませること。 

合理的配慮

学校や試験において、(医者の診断の下)個室受験など発達障がいを持った子への配慮が得られるよう、2年前に法律で決まりました。

時代は「我慢させる」という発想ではなくなりました。「イヤと言える子」「イヤを聞いてあげられる関係」が重要です。「イヤ=ワガママ」と判断せず、「イヤ=不快でストレス」と、そのまま受け止めてあげましょう。

行動の理解 

親のストレスが生じるポイントは以下のとおり。感情的になる前に、子供の状況を見立てて対応してみましょう。

1.「聞こえていない!」
→熱中して聞こえないことが多いので、まずは話す側が「ハイ聞いて!」と切り替えのサインでサポートをする 

2.「うっかり忘れすぎ!」 
→「今何やる?」と思い出す質問をする。何度も言わないでいいように書いておく 

3.「わからない!?」→「うるさい!」などの曖昧な指示ではなく「声のボリューム0ね」と、やってほしいことを具体的に伝える 

4.「わざと……!」 →愛情の確認です。愛されている実感を感じるように、アタッチメントや話を聞くなど 

5. 感覚過敏、不安や恐怖 →それぞれの感覚は違って当たり前。自分たちや世の中の普通に当てはめないでうけとめてあげること 

わかる指示、学習スタイル 

  1. 視覚型→マニュアル化、視覚的な教材、やることリスト など 

  2. 聴覚型→口頭での指示、DVD教材、デバイスへの音声入力 など 

  3. 体得型→体験学習、一緒にやってみる など

情報の差・決断の差が、支援の差となります。本人が無理矢理周囲に合わせて同じ努力をして苦労することないよう、本人の自己理解も大切です。皆と同じように頑張らせることではなく、意見を持った子に育てることが重要です。

10歳ぐらいまではなかなか自分の特性を理解できませんが、小さな頃から「こういうこと、少し苦手だよね」と話をして事実確認をしていくことも大切です。 

……他、アンガーマネジメントの話などもありましたが、この特性の理解と受容の話が1番、ストンと腑に落ちました。 

発達障がいやパステルゾーンは、決してワガママではありません。特性を理解して受容対応していくことで、多くのそれぞれの幸せを手に入れることができます。 

高山さんの著書は多く出ています。発達障がいの本が多いようですが、パステルゾーンについて分かりやすく書かれている本もあります。 また、えじそんくらぶのWEBサイトにも、ストレスマネジメントなど無料冊子ダウンロードがありますので、ご覧ください。 
https://www.e-club.jp/category/adhd/adhd_download

1人で悩まず、まずは知ることが大切です。 自分と同じく子育てまっさい中の皆さんにも届けたい、そして、こういった子育ての悩みに並走してくださる未来の支援についても想いを馳せました。

皆さんのご意見、感想もお聞きしたいです。