中野&区議会報告

立憲民主党・無所属議員団 議案「平和の森公園整備工事請負契約に係る契約金額の変更について」 採決における会派の見解(経緯と背景)

平成31年‪3月15日 第1回定例会 平和の森工事請負契約の変更議案

昨年6月に「平和の森公園の草地広場を残します」という公約のもとに就任した区長公約の通り、300mトラック、100m走路、コンクリートの滑り台等の工事契約内容を見直す第39号議案「平和の森公園再整備工事請負契約に係る契約金額の変更について」が提出されました。この議案について立憲民主議員団は賛成しましたが、自民公明の反対により一票差で否決されました。 我々立憲民主党・無所属議員団としては、この時点から考え方は変わっておらず、草地広場は残すべきと考えております。

‪4月21日  中野区議会議員選挙挙行

‬議会構成が変わりました。

‪4月25日 区長記者会見‬‬

「平和の森公園整備については、区議会の議決を尊重すべきと考えている。よって、3月の区議会の判断を踏まえ工事を再開したところである。今後は、第2回定例会での議会の意見を踏まえ考えていきたい」(HPより)

6月25日 令和元年第2回定例会にて区長行政報告

改選後初の定例会の初日に区長による行政報告が行われましたが、本件についての言及はありませんでした。

同日6月25日 補正予算の議案提出

二次補正予算の議案が提出され、関係委員会で審査されました。この補正予算の中には平和の森公園再整備に関連するものがあるものの、その内容は工期の延伸費用、多目的広場のフェンスの嵩上げなどの仕様の変更や、労務単価の上昇によるインフレスライドなどであり、300mトラック、100m走路、コンクリートの滑り台に関するものは含まれていませんでした。 そのため、この議案の可否では議会の意思を示す事ができません。他の方法で、議案修正が可能かを探りましたが、直接含まれていない部分の予算を減額するのは法的に無理があるとの結論となりました。

6月27日 一般質問初日

酒井たくや、浦野さとみ(共産党議員団)両議員からの質問に対して、区長より「工事再開不能となる。賠償請求がされる。五輪使用に間に合わなくなる。等のリスクがあり、実務的な観点から当初計画案のまま進める」旨の答弁がありました。また、浦野議員へ「このような考え方について本定例会において議決等の判断を頂きたい」旨の答弁もありました。

‪7月11日 定例会最終日  議案の提出

第62号議案 「平和の森公園再整備工事請負契約に係る契約金額の変更について」の議案が提出されました。 補正予算可決を受けての議案であり、この議案にも、300mトラック、100m走路、コンクリートの滑り台に関するものは含まれていません。また、この議案はあくまでも契約金額の変更であり、例え否決されたとしても現在の契約が残ることとなり工事は止まりません。工事業者には、現契約のまま工事を進める契約上の義務が残りますが、そのまま工事を進めた場合はどこかのタイミング(おそらく現契約のある来年1月頃)でお金が不足することになるため、その時点で契約解除に向けた協議が行なわれることになると予測されます。事業者はそれまでの間粛々と現契約に基づいた工事を進める可能性が高いと考えられます。

そうなると、区側の説明の通り300mトラック、100m走路、コンクリートの滑り台は作られてしまう一方で、公園の開園が遅れ、五輪での使用に間に合わず、五輪に利用する条件で得た東京都からの3億円の補助金が交付されないだけでなく、あわせて事業者への賠償金が発生するといった状況になってしまいます。そのため、当会派としては本議案に反対することはできないと判断しました。

他方、我々としては、平和の森公園再整備のあり方について改選後の議会の意思が示されない、示す事が出来無い状況のまま工事が進められることは納得し難く、議会の意思を示す方法を模索しました。

議案の修正提案も考えましたが、行政実例によると、契約に関する議案は、相手方と仮契約を結んだ上で提出されるものであるため、その内容を議会が修正をすることは出来ないものとされていることから、断念せざるを得ませんでした。

こうした流れの中で、最後の手段として「平和の森公園整備にあたっては、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会における新体育館の活用に支障を来たさないよう努めるとともに、草地広場のあり方について検討されたい」とした附帯意見を議案に付す提案をするに至りました。

区は、区議会改選後は事業者との交渉を行っていません。附帯意見をつけて議案が可決されれば、それにより議会の意思が示され、それをもって区長が工事請負事業者と今後の工事契約について直接交渉することも可能になります。

以上の経過より、五輪における新体育館の活用に支障がないように草地広場を残す可能性について、それ以外の方法は無いと考え、当会派としては議案「平和の森公園整備工事請負契約に係る契約金額の変更について」の採決における態度を判断しました。

【参照】第62号議案「平和の森公園再整備工事請負契約に係る契約金額の変更について」討論

ただいま上程されました、第62号議案、「平和の森公園再整備工事請負契約に係る契約金額の変更について」に対し、立憲民主党・無所属議員団の立場から賛成の討論をいたします。

本議案は、平和の森公園再整備に関して、工事の一時中止に伴う現場維持経費及び多目的広場外野フェンスかさ上げといった工種の変更・追加に係る経費を増額するものであり、これらについては是とするものです。

一方で、我が会派としては、改選後の新しい議会が現契約の工事内容のまま進めるべきか否かの判断を行う機会のないまま工事を進めることには納得し難いものがあります。

酒井区長は、平和の森公園再整備の中で第二工区に関して、草地広場の存続を公約の大きな柱の一つに掲げ当選されました。当選後も、より広く区民の声を聞くために、語る会や区民からの意見募集、説明会や関係団体へのヒアリングなどを行い、積極的に区民の声に耳を傾けてまいりました。

そして、新区長のもと、300メートルトラック及び100メートルコースの設置の取りやめ、既存の築山の存続等を柱とした新しい平和の森公園再整備の考えが示され、それに基づく契約金額の変更の議案が先の第1回定例会に提出されました。

その議案に対して、我が会派としては「賛成」をいたしましたが、議案は賛成少数で否決となりました。しかし、我が会派としては「草地広場を存続すべき」との考えに変わりはありません。

区長は、本定例会における我が会派の酒井幹事長の一般質問に対して「新体育館は2020東京オリンピック・パラリンピックにおける練習会場として使用され、この時期に工事が完了していない事態は絶対に避けなければならない」「したがって、平和の森公園再整備については、実務的な観点から当初の再整備計画案に沿って整備を進める」とご答弁をされました。

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会における新体育館の活用に係る区の事情は理解するところではありますが、「草地広場の存続」を求める多くの区民の声に、改めて真摯に向き合い「草地広場の存続」に向けて今一度、ご努力を頂きたいと思います。そうした想いから、我が会派としては総務委員会にて本議案に対し、「平和の森公園再整備にあたっては、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会における新体育館の活用に支障を来さないよう努めるとともに、草地広場のあり方について検討をされたい」との付帯意見を提案いたしました。

我が会派としては、区長公約である「平和の森公園の緑と広場を守る」、その原点に立ち返って、区長がリーダーシップを発揮し、本気で公約実現に向けて取り組み、その過程と結果についても区民に対し、しっかりと説明責任を果たして頂くことを強く要望いたします。

以上、平和の森公園の緑と広場を守り、誰もが憩い楽しむことができる公園の実現をねがい、本議案に賛成の討論といたします。