中野&区議会報告

中野区議会「首都直下地震や都市型水害」「ICTを活用した広聴・広報」「共同親権の対応」「南中野中学校に生徒参加」等…2026/1/13一般質問(河合りな)令和8年度・第1回定例会

令和8年第1回定例会にて一般質問を行いました。

※文章が長いため文字数を省略しています。全文詳細や正確な質疑は中野区議会議事録をご確認いただき、疑問等は直接気軽にお問い合わせください。SNS等で断りなくHP文章の一部を切り取る行為はご遠慮ください。

目次

1、防災について
 (1)内閣府の首都直下地震の被害想定について
 (2)内水氾濫などの都市型水害対策について
2、広聴・広報について
 (1)戦略的広報について
 (2)ICTを活用した住民参加について
 (3)広報手段について
3、共同親権の対応について
4、南中野中学校建て替えの生徒参加について

1、防災について

(1)内閣府の首都直下地震の被害想定について

2025年12月19日、内閣府の公表「首都直下地震の被害想定と対策」は、東京都が従来示してきた被害想定を上回る内容であった。都は防災対策を着実に強化しており、「(要約)首都圏の実態を十分に反映していない被害想定は、自治体が真に必要な対策を講じることはできない」と見解を示した。

「中野区地域防災計画」は都の被害想定を準用し、R6年に改訂したばかり。内閣府の発表は区民の不安や混乱を招く恐れがある。今後の都の動向について区の把握情報を示すとともに、都の見解に対する区の考え方、地域防災計画への影響は?

中野区の回答:

国の被害想定について都の指摘通りと認識。都は独自の分析を進めるとのこと、地域防災計画を直ちに見直す必要はないと判断。今後は都の検討状況により、必要に応じて対応する。

(2)内水氾濫など都市型水害対策について

集中豪雨時に排水能力を超えて下水道などが溢れる「内水氾濫」は、高台を含め局所的に発生し、予測が難しい。都市部では舗装の影響で急激な浸水が起こりやすく、近年の気候変動による記録的豪雨が都内各地で甚大な被害をもたらしているが、「内水氾濫」という言葉や危険性は、十分浸透していない。

河川管理や調節池、下水道整備は都の管轄で、区ができる対策は限られるが、本区は河川氾濫への区民意識は高い地域で、内水氾濫の周知を深めることは、水害全体の被害軽減につながる。

現在の区ハザードマップは、河川氾濫と内水氾濫を一括して「水害」と表記、地図上も赤い線が河川氾濫、それ以外が内水氾濫。一見して理解・判別しにくい。

内水氾濫の区民への意識啓発を強化し、ハザードマップ改訂時にはより理解しやすい表現や説明へと、記載内容を見直しては?

中野区の回答:

周知・意識啓発は重要と認識。ハザードマップ改定時期に合わせ水害の記載内容を工夫する。

都のハード整備は時間雨量75ミリを前提としているが、昨年9月11日の災害級豪雨では都内各地で100ミリ越えが短時間に観測、想定を超える急速な降雨は、財産被害や避難遅れによる人命に関わる事態も懸念される。

都は12月補正予算で「止水板」設置補助をうち出しているが、雨量が増加する梅雨から秋の前に、補正予算を組んででも止水板設置補助を早期に実施しては。

中野区の回答:

都の補助事業の活用や他区の状況などを参考に検討を進める。

気候変動による豪雨の激甚化・頻発化を受け、都はR5年12月「東京都豪雨対策基本方針」を改訂、取り組みを加速。

一方、区では中野区都市計画マスタープランに「都市型水害への備え」と記載はあるものの、改訂中の中野区基本計画(案)には都市型水害と記載はなく、H30年策定の「中野区豪雨対策実施計画」も改訂されていない。

計画策定時と比べ、短時間集中豪雨の発生頻度が増加、対策強化は急務。

区独自の「流域治水」視点で、浸透性舗装促進、植栽帯に浸透機能強化、グリーンインフラ支援、雨水タンク設置補助、公園等に雨池設置など、取り組める対策もある。

今後の激甚化する豪雨に備え、区として流域治水の視点を取り入れた未然防止型の都市型水害対策を取り組むことの区の見解は? あわせて、庁内の意識向上のため、基本計画に「都市型水害対策・流域治水」などの明記、気候変動の実態に即して「中野区豪雨対策実施計画」を改訂しては?

中野区の回答:

流域対策は重要、対策を推進する。基本計画の策定の際、水害対策の視点の表現を工夫できないか検討する。都はR8年度に「神田川流域河川整備計画」を改定予定で、合わせて豪雨対策実施計画を改定予定。

2、広聴・広報について

自治体広報の本質的な役割は、見た目の改善にとどまらず、①必要な情報を確実に届けること、②行政への参加と意見反映、③区の魅力の発信。広報を通じた区民との信頼関係構築である。

一方的な発信から脱却し、受け手視点に立ち、理解や共感を得て行動変容を促すコミュニケーショへの進化が求められる。今後人口減少や流動化が進む都市部で、自治体の広聴・広報の重要性はさらに高まる。

(1)戦略的広報について

R7年4月24日各委員会に報告「中野区基本計画の進捗状況」では、区民意識・実態調査を用いた成果指標の達成が不十分な項目があった。一方、R5年度「中野区子どもと子育てアンケート調査結果報告書」では多くの指標が改善。特に子ども・子育て分野では、利用者がサービス向上を実感しているにもかかわらず、その成果が区民全体に伝わっていないことが懸念。

今後、広報を通じて政策の浸透を図り、イメージ向上に繋げることが重要。

R6年度、特別区長会調査研究機構「区民等の理解と信頼を深めるための情報発信のあり方」の研究に、本区の広報課も参加した。「具体的な方策の方向性」でマーケティング思考に加え、対象コミュニティや社会に直接入り込み行動・言動を観察する参与観察という手法を活用した分析を使う提案があり、他区の取り組みを含め、今後の改善に資する内容。

効果的な広報強化に向け、本研究成果を生かし、目的を明確にした戦略的な改善に取り組むべき。広報の方向性や広報マインド育成など、今後の展開についての区の見解は?

中野区の回答:

調査結果を踏まえ、LINEのセグメント配信の強化など、区民に届きやすい広報の工夫をした。今後も、信頼関係を構築して行動変容につながる広報を実施する。

(2)ICTを活用した住民参加について

意見交換会やパブリックコメント、タウンミーティングなど、住民参加機会は増えているが、参加者は限られ、本質的な区民ニーズを把握するのは難しい。特に声を上げないサイレントマジョリティの意見を拾い上げる工夫が必要。近

年、品川区などの自治体では、インターネット上で住民同士の意見交換・集約するデジタルプラットフォームが導入。SNSなどの情報を収集・分析し、意見を集約するソーシャルリスニングも、新しい手法として注目されている。

ICTを活用した多様な住民意見聴取の手法について、検討しては?

中野区の回答:

区民意見はLINEやメールなど、様々な手法で寄せられている。より多くの意見を拾い上げ、政策に反映させるため、ICT活用も視野に入れた効果的な方法を検討する。

(3)広報手段について

区報は、区民意識・実態調査において区民との最大の接点とされ、重要なツール。一覧性に優れている紙媒体と、SNSやLINEなど属性に応じた情報の選別配信を併用すれば、情報の到達率向上が期待できる。

近年の区報は改善が進み、魅力的な内容となったが、区民に新たな気づきを与える紙面づくりも必要。

現在の区報に対する区民評価を伺うとともに、テーマ設定において、目的意識に基づいた重要な課題を、積極的に取り組んでは?

中野区の回答:

区報の読者アンケートで約7割の方から「良い」の評価、満足度は年々上昇。都の広報コンクールでも受賞、内容やデザインは対外的にも評価。区政課題を踏まえたテーマ設定を行う。

近年、区内ではイベントが増え、まちに賑わいが生まれる一方、公式サイトへの掲載が不十分、地域コミュニティアプリ「ピアッザ」やWEBサイト「ためまっぷ」など、情報発信に類似媒体があり、何を利用したら良いかわかりにくいとの声も。さらに、本年1月28日子ども文教委員会、子育て支援施設や区の主催イベント情報を発信する新WEBサイト追加の報告も。

各所管が個別に情報発信ツールを導入することは行政中心視点であり、情報収集が区民負担になるという認識がないと考える。

今後、デジタル発信が主流となる中で、区民目線に立った、情報発信の総合的なあり方を整理すべき。

現状についての広報視点での区の見解は。アプリ導入など情報発信手段について、広聴・広報課で全体を把握し、整理や棲み分けの判断を行っては?

中野区の回答:

区民への情報伝達手段として有効。企画部が中心となり考え方を整理、それぞれ情報発信媒体の特徴を生かした発信を行いたい。

各課活用のアプリで、効果的情報発信の例として、保護者と学校の連絡システム「すぐーる」は、欠席申請機能を備え、ほとんどの保護者が利用。

本アプリは学校連絡の他、教育委員会からの情報発信、希望に応じて中野区防災・防犯メールのチャンネル受信も可能。

広報手段として、すぐーるのチャンネル登録を活用し、希望する保護者に区の情報を配信しては?

中野区の回答:

他自治体の導入事例を参考に検討する。

3、共同親権の対応について

離婚後も両親双方が親権を持ち、養育や財産管理を共同で行う「共同親権」を導入する改正民放が、本年4月1日から施行。

親権争いの回避や子どもと両親の関係維持が期待される一方、意思決定の停滞、離婚後も虐待・DVなど支配的関係が継続する懸念も指摘されている。制度運用を誤れば子どもの安全と福祉が損なわれかねず、法改正を踏まえ、親権の取り扱いと子どもの最善の利益確保は、基礎自治体として重要な課題。

命に関わる事態を防ぐ観点から、リスクへ対応について伺う。

改正民法では、DVや虐待ケースでは「共同親権」よりも「安全」が優先され、懸念がある場合も原則として単独親権とすることが示されているが、制度理解が不十分であれば、誤解が生じかねない。

子どもと保護者支援の最前線に立つ基礎自治体として、正確でわかりやすい情報周知が必要。すでに公式WEBサイトで解説やパンフレットを作成する自治体もあり、特にDVや虐待、対立関係にある家庭への配慮は不可欠。

対象者となる保護者向けに情報を整理し、共同親権であっても「両者の同意が不要な場面」など、安全最優先とする制度説明や法解釈を周知すべき。合わせて関係所管と、児童相談所や家庭裁判所との連携、体制整備について区の見解は?

中野区の回答:

わかりやすく情報発信を行う。DVや虐待等の恐れがある相談の場合、共同親権をはじめとする新たなルールを理解・把握した上で、関係期間と適宜連携を図り適切に対応。

離婚家庭における親権の判断は尊重すべきである一方、区としてどのように状況把握し対応するか、学校や保育園など日常的に保護者や子どもと接する現場で混乱を防ぐため、事前に課題整理が必要。

現在学校等で各家庭の情報を管理しているが、今後は連絡先や災害時の引き渡し先、別居親の行事参加など、共同親権か単独親権か、安全を最優先すべき事案か、対応が分かれる場面も想定される。

保護者への情報提供ルールの整理、関係所管や現場が判断に迷った時の相談先の明確化、職員向けの研修を実施しては?

中野区の回答:

区行政への影響について、法務省が発症した行政手続きに係るQ&Aを提供する等、情報共有を図り、各書簡で適切に対応する。研修等、検討する。

特に懸念されるのは、刑事事件化していないDVやモラルハラスメント、精神的・経済的DV、子どもに心理的影響を与える状況など表面化していない事案を見落とさず、除外しない制度運用が求められる。

困難な判断を子ども本人に委ねすぎることは、心理的負担に。DV事案では共同親権が支配関係を継続させる危険性もあるため、子どもの安全確保を前提とすべき。

国会答弁でもDVや虐待については客観的証拠の有無に限らず諸般の事情を考慮すること、モラルハラスメント(精神的DV)に該当する場合には単独親権とすべきケースがあるとの認識が示されている。

共同親権が定められている家庭の場合でも、安全最優先の原則について区の認識と、潜在的DV等への対応・子どものケアは?

中野区の回答:

法務省発出Q&Aでは、親権の有無よりも実際に児童を看護しているか実態に着目して支援等を行うこととされており、区も同様の認識。共同親権は、離婚保護者間でDV等の問題がない場合に設定できるが、支援を行う中で実際にDV等の問題が判明した際、児童相談所等関係期間と連携し、適切な対応を図る。

共同親権は、離婚後も両親の関与が継続、合意形成が進めやすい点で有効な制度であり、安全が担保されれば、関係が良好でない場合でも親子交流が可能となるケースも。

法務省は、親子交流支援の参考指針を示したが、共同親権の趣旨「子どもの最善の利益」の実現には、安全に配慮した交流体制整備が求められる。

近年、立会型面会交流や民間の交流支援団体の活用、施設内・オンライン交流など、多様な形で実施自治体が広がっている。

法務省指針への区の見解と、安全を担保した親子交流支援を検討しては?

中野区の回答:

親子交流を実施することで危険が生じる場合に強制する物ではない。趣旨に乗っ取り、両親双方が支援内容を十分に理解し、納得して支援を受けることができるようにすることが重要と認識。他自治体での事例等を踏まえ、親子交流支援について検討。

4、南中野中学校建て替えの生徒参加について

中野区子どもの権利条例の制定以降、子どもたちの意見表明の機会が広がり、予算を伴う子どもの意見を反映させた教育活動や、修学旅行先を子どもたち自身が選ぶ取り組みなどの実践は、大いに評価し歓迎すべき。

今後は学校づくりでも、ハード・ソフト面両で、児童・生徒の声を生かすことが重要。

自分が通わない場合でも、地域の学校づくりに関わる経験は、子どもたちにとって貴重となる。

次の計画となる南中野中学校をはじめに、中学校の改築推進委員会に生徒参加、小学校改築も児童の意見反映を検討しては?

中野区の回答:

学校改築に児童生徒の意見をまとめて提案できる力もあり、改築推進委員会への代表生徒の参加も検討。

以上。

https://rikken-nakano.net/2026/02/14/teireir8-1/
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